◇平成30年度都立高校入試◇今から考えるべき、都立の勉強方法『社会』編
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◇平成30年度都立高校入試◇今から考えるべき、都立の勉強方法『社会』編

社会編です。

2017年09月29日投稿
2019年12月28日更新

前年度版に加筆したものになります

2018.10.18 追記

平成31年度版の記事を公開しました。
こちらからご覧ください。


『国語編』はこちら
『数学編』はこちら
『英語編』はこちら
『理科編』はこちら
『社会編』はこちら

1. 平均点推移と全体の構成


平均点推移

  • 平成29年度 58.6点
  • 平成28年度 59.3点
  • 平成27年度 59.1点
  • 平成26年度 57.4点
  • 平成25年度 51.5点

東京都立高校入試の社会です。

大問構成

大問1 3分野の基本問題 5点×3問
大問2 地理分野(世界) 5点×3問
大問3 地理分野(日本) 5点×3問
大問4 歴史分野 5点×4問
大問5 公民分野 5点×4問
大問6 3分野総合 5点×3問

平均点は過去5年間、50点台後半で安定して推移してきました。その傾向は平成30年度も変わらないと予想されます。
5点×20問の問題構成で地歴公民の各分野からまんべんなく問題が出題されており、3分野の融合問題も毎年出ています。
昨年3題出ていた記述問題が2問になり、代わりに地図問題になった以外は、影響もほとんどありません。

東京都立入試の社会は一問一答形式の問題はほぼ出ず、社会科の各分野で今まで履修したことを用いて、総合的な理解度を試すような問題になっています。
図表や統計資料、地図などが各大問に多く設定されており、問題形式に慣れておくことが重要ですね。

小問正答率を見るとわかるように極端に難しい問題は存在しておらず、3分野の幅広い知識をどこまで正確に把握できているかが、安定した点数が取れるかどうかの分かれ道になります。

社会の平均点と大問ごとの正答率

社会は、どの問題も等しく5点配点で計20問です。問題数でいうと、数学の19問に続いて少ない問題数なんですね。
1問落とすことで差が付きやすい構成です。毎年、時間が足りないという声はほぼ聞かないので、しっかり見直しをして、うっかりミスはないようにしてください。

2. 地理の勉強について


世界各国の気候や、生産物、地形や位置などを、頭の中に入れておきましょう。
日本も同じです。各都道府県の特徴と、特産物、場所など、教科書に載っていること、資料集に載っていることを覚えておくことがまずは大事です。

歴史などにも言えますが、東京都立入試はとにかく比較する問題が出てきます。
都道府県の比較、10年前との比較、歴史の各時代の比較…

過去問や、Vもぎなど間違った問題は、徹底的に時間を掛けて見直しをしてください。
覚えることは非常に多いですが、実際出てくる問題は一度はどこかで見たことのある問題ばかりです。

オススメは資料集を使うこと。
資料集で、色々な資料に目を通して、比較する訓練をしましょう。

例えば「原油」の資料だけを見ても、非常に多くの「比較」ポイントがあります。

  • 世界各国の生産量の比較
  • 世界各国の輸入量の比較
  • 世界各国の輸出量の比較
  • ある国の10年前との生産(輸入・輸出)量の比較
  • 輸出(輸出)している国の割合の比較 など

またいろんな資料を見ていると、違う資料で同じ国、地域が出てくることも多いですよね。
短期間でいろんなことを学ぶことができるので、資料集はよく活用してほしいです。

事前知識がいらず、資料から読み取れることを記述する問題も毎年2問程度(平成28年度までは3問)出てきます。
普段からニュースや新聞に目を通していたりすると、表現力があるので書くことはそう難しくないと思いますが、
そうでない人は、「頭の中で言いたいことを整理して伝える力=言語化能力(国語力、表現力など)」を少し意識して勉強しましょう。

国語の200字作文も同じですね。
オススメは、毎日夜にニュースを30分見て、一つニュースを取り上げて自分の言葉で100字(200字)にまとめることです。
とにかく都立の勉強をしていると記述スキルがおざなりになりがちです。
そうならないように、時間を設けてやっていただきたいです。

3. 歴史の勉強について


東京都立高校受験でにおける歴史分野のポイントとしては、時代の変化、様式の変化を縦のつながりで把握させる問題を重視する傾向があることが一つ挙げられます。

過去の例をいくつか出してみます。
過去11年間の都立入試に出題された「ア~エを時代の古い順に並べよ(もしくはその類似問題)」の一覧です。

<過去11年間の歴史関連の年代問題一覧>

  • 平成29年度
  • :弥生時代から平安時代にかけて権力者が力を示し維持するために布を用いた様子について
  • 平成28年度
  • :明治時代から現代にかけて人々の生活に影響を与えた交通手段に関わる出来事について
  • 平成27年度
  • :明治時代から現代にかけての食生活に関連した出来事について
  • :弥生時代から安土・桃山時代にかけての食生活について
  • 平成26年度
  • :明治時代から現代にかけての、水に関連した技術について
  • :古墳時代から室町時代にかけての、農業生産を向上させる取り組みについて
  • 平成25年度
  • :江戸時代から昭和時代にかけて行われた土地開発について
  • :飛鳥時代から安土・桃山時代にかけて、人々を治めた制度について
  • 平成24年度
  • :明治時代から昭和時代にかけての、東京の学校に関する主な出来事について
  • :飛鳥時代から室町時代にかけて、新しい知識や技術などを学び取り入れてきた様子について
  • 平成23年度
  • :明治時代から昭和時代にかけて新しい道具が現れた時代背景と新しい道具の利用について
  • 平成22年度
  • :明治時代から昭和時代にかけての、東京の流通に関する主な出来事について
  • :さまざまな時代における我が国とアジアに進出した国との結びつきについて
  • 平成21年度
  • :江戸時代から昭和時代にかけて行われた建築について
  • :飛鳥時代から室町時代にかけて行われた建築について
  • 平成20年度
  • :平安時代から江戸時代にかけて作られた旅に関係する作品について
  • :それぞれの時代に大きな影響を与えたできごとについて
  • 平成19年度
  • :武士による政治のようすについて

また、下の画像は平成26年度の大問4の一例です。
略年表上ア~エのどこにあてはまるのかを選ぶ問題も毎年出題されています。

0001

結論として、歴史の勉強は年表を重視してください。

例えば、

日明貿易が行われたのは1404年(1401年)~1549年までの19回である

のような1年単位の年号暗記は基本的な部分以外は必要ありませんが、

日明貿易 = 室町時代(1340年前後)⇒足利義満(1300年代後半)⇒だいたい1400年代前半のこと

といった連想はすぐにできるように、常に意識して勉強をしてほしいです。

4. 公民の勉強について


公民は、地理歴史と比較して対象とする範囲が狭い分、ありきたりな問題はあまり出てこない傾向があります。

〇欠陥商品によって消費者が損害を受けた場合には、企業側の過失を証明できなくても、消費者が損害賠償を求めることができる法律を公布・試行した。
〇この法律が公布・施行され、商品の安全性に対する消費者の関心が高まった。

上記は平成29年度の問題で出てきたある法律を指しています。詳しくは割愛しますが、この法律が施行された時代背景(商品安全に対する意識・要望の高まり)を捉えたうえで、PL法を指していることを判断して、さらに施行された年代を答える問題です。

あえて言うのであれば、活字に慣れておくといいと思います。近代・現代になって使いだされたワードは新聞などを読んでいればよく出てきますよね。

「ドナルド・トランプ氏、EU離脱、AI、インバウンド、VR、プレミアムフライデー、忖度(そんたく)、」など皆さん聞いたことはありますか?
直接の問題になることはないと思いますが、知識量が増えれば、その分だけ言語化するときに幅が出ます。(地理のところでも言いましたよね!)

社会特有の文章にできるだけ慣れておくといいと思います。



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