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Vol.029 100点の生徒と98点の生徒、2人の実力差は何点分?
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Vol.029 100点の生徒と98点の生徒、2人の実力差は何点分?


2017年11月21日更新


「100点は180点だったかもしれない」という話をよく生徒にします。
ペーパーテストには致命的な欠陥があります。
仮にその生徒が180点取れる実力があったとしても、100点以上は取れないということ。
100点と98点の点差は2点ですが、実力差は倍くらい違うということは充分にありえる話です。

「最高点以上のレベルが存在する」
このことを示す典型的な例を一つ挙げます。
地域最難関の公立高校の進学実績です。
東京都の都立高校で、実際のデータを比較してみます。
入学難易度という点で都立高校のトップに立つのは日比谷高校と西高校と国立高校です。
ここでは仮に、この3校を東京都の最難関校と設定します。
そして次に難しい高校。ここで問題になってくるのが西高校です。この西高校周辺地域、次のレベルに相当する「これ」という高校がありません。西高受験レベルに達しなかった場合、様々な高校に受験生が流れていくので、どこがこの地域で二番目に難しい高校とは言い切れないのが現状です。
上記3校で最もわかりやすいのは国立高校でしょう。国立高校の近くには、立川高校と国分寺高校という難関校が2校あります。成績面から国立高校受験を断念した都立校志願者の多くは、これら2校に流れているものと思われます。ちなみにですが、都立Vもぎを主催する進学研究会の入試データによる平成30年度合格難易度は、国立高校が偏差値66、立川高校が偏差値63、国分寺高校が偏差値62となっています。
これら3校の過去3年間の東大合格実績を検証してみます(※)。

過去3年間の東大合格者数の比較

明らかに国立高校の進学実績が群を抜いています。
入試の合格基準偏差値が3~4違うだけで、ここまで大きな違いが出るのは地域最難関の公立高校と二番目に難しい高校の間でなければなかなか起きません。
この「地域最難関の公立高校が圧倒的に強い」という現象、全国の多くの都道府県において同様の傾向が多々見られます。なぜそうなるのかと言えば、飛びぬけた実力を持つ生徒も「他に選択肢がなかったので」その高校に進学している可能性があるからです。
受験の結果は「合格/不合格」の2つしかありません。
ペーパーテストであれば、100点以上の点数はどうがんばっても取れません。
しかし、合格や100点の先には、さらに上のレベルが存在しています。

ここからが本題です。
どんな生徒でも、日常の中には最高点を狙える機会というのが必ず存在します。
例えば、宿題や提出物をきちんと提出することや、漢字や英単語の小テストなど。
そういう「やれば必ず最高点」を狙える場面では、80点90点といった点数で簡単に妥協しないでもらいたいのです。100点の生徒と90点の生徒では、点差の10点では測れないほどの差がついてしまっている可能性があります。
単語テストでせっかく90点を取ったのに「100点でなければ認めない。まだまだだ!」と言われたら、やる気をなくしてしまいかねません。がんばって出した成果なのであれば、その点をきちんと「承認」することはとても大切なことです。しかし、本人も周囲も「単語90点、よくやった、充分!」と思っていたとすると、それは危険な考えです。少なくとも、大きく成績を伸ばしていく生徒はそんな考え方はしません。「やれば必ず最高点」のテストだったのに90点しか取れなかったのです。勉強量が求められている基準に達していなかったと考えるべきです。
多くの生徒が近い将来、受験で「やってもできるようにならない」問題と向き合うことになります。
そんな中、実力以上の難関校に合格しようと思えば、「やったらできる」ものの完成度を高めていくしかありません。一流校を目指す生徒にとって、「やれば必ずできたこと」や「自分が得意なこと」は100点がボトムラインなのです。

ほめて認めてあげることはとても大切なことですが、成長させるにはこのように「高い基準」を要求し続けることも忘れてはならないです。
やる気を高めるための言葉がいま必要なのか、「考え方」の目線を一つ引き上げてあげるための言葉がいま必要なのか、きちんと考えて指導にあたる必要があります。

※話を単純化するために東大合格者数に絞って合格実績の検証を行っていますが、全体の傾向としても国立高校の進学実績は他の2校を大きく上回っています。