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Vol.048 何を残し、何と別れ、「未来」に進むか

Vol.048 何を残し、何と別れ、「未来」に進むか


2018年04月03日更新



4月、入学式。
中学受験を乗り越え、小学校までの慣れた友人と離れることになった新中学1年生。
高校受験を乗り越え、滑り止めの私立高校に進学することになった新高校1年生。
大学受験を乗り越え、東京に上京して早くも実家のご飯が恋しくなっている新大学1年生。
色々な人がいると思いますが、大きな環境変化がある人ほど「不安」も大きいものです。
その「不安」が「成長」の前材料となりますので、「不安が大きいほど成長も大きい」と前向きにとらえるようにしましょう。

新しい「出合い」の前には、過去との「別れ」があります。
入学が「出合い」なら、卒業は「別れ」。
入学や卒業とは、「出合い」や「別れ」を強制的に起こす人間社会の「仕組み」です。
現代人は当たり前のように中学を卒業したり、高校に入学したりしますが、それらは我々が長い歴史の中で築き上げてきた社会の「仕組み」であって、最初からそのようになっていたわけではありません。
人間の「成長」にとってより適切なあり方へ、社会の「仕組み」そのものが発達してきたわけです。
「出合う」こと、その前段階として「別れる」こと。
これらは人間の「成長」にとって、あった方が良いものであると考えて間違いないでしょう。
入学や卒業は社会の「仕組み」による強制的な成長機会ですが、長い人生の中では自ら勇気を持って、そのような成長機会を創造していかなければならない場面もあります。
神戸大学の教授に金井壽宏さんという方がいらっしゃいます。日本のキャリア研究の第一人者と言っていいと思いますが、この方が『働く人のためのキャリアデザイン』という本の中で、「節目をしっかりと設計し、節目と節目の間はドリフトする(流される)」という生き方を提案されています。
この「節目」をしっかり設計することが、より良く生きるためには本当に大切。
この20年間、たくさんの若者の人生に関わってきて、心から実感することです。

何を残し、何と別れ、「未来」に進むか。
この「節目」の設計に、その人の人生観の全てがあらわれるのではないでしょうか?
「自分の人生を生きる」とは、この決断を自らの意志で行っていくこと。
人生うまくいかない人というのは、この決断がとにかく成り行きまかせ。
ラクだからと辞めず、居心地が良いからと離れられず、しんどくなったら辞めて、嫌いだから離れて、といった具合に・・。
自分の理想通りに生きようと思えば、踏ん張ってそこでがんばるべきときもあるし、勇気を出してそこから離れなければならないときもあります。
「気分」だけで生きた先に何が待っているのかはここで述べるまでもないでしょう。
地頭の良さや努力できる力と、この「生き方」の姿勢は無関係です。
東大生だからと言って、主体的な「生き方」をしている学生ばかりではありません。
人生流されるまま東大にたどり着いた、という学生だっているのです。
(これはこれですごいのですが、笑)

卒業することになって、大好きだった故郷や学校と離れることになっても大丈夫。
勇気を出して、離れられなかった何かとの「別れ」を選んだとしても大丈夫。
それらは消えてしまうのではなく、自らの構成要素として「未来」の自分を守ってくれます。
それらが自分にとって「大切な何か」であったからこそ、その「別れ」には大きな意味がある。
新しくできた空白は、それら以上に「大切な何か」で必ず埋まっていきます。
「別れ」はさみしいものですが、それを乗り越えなければ「未来」は訪れません。
そうした意味では、4月はまだ精神的には移行期間。
「不安」の多い時期でもありますが、ぜひ前を向いてがんばってもらいたいと願っています。
その先に、必ず素晴らしい「出合い」が待っていますから。