Vol.078 子どもの夢を否定するのは良くないのか?

Vol.078 子どもの夢を否定するのは良くないのか?



2018年11月13日投稿
2020年07月14日更新



子どもの夢を否定するなとはよく言われますが、彼らは素っ頓狂なことを思いつきで言い出したりするのもまた事実。
どのように対応すれば良いのでしょうか?
「逃げ場」があるのなら、思い切り否定するのも悪くないと私は考えています。
否定する役回りは、どちらかと言うと、父親が適しています。
そのような話になっている時点で、ハイリスクな仕事を志しているのだと思いますが、父親に否定されてあきらめてしまうような熱意なのであれば、どちらにせよ成功は難しいと言えるでしょう。
ただし、父親と母親が一緒になって、子どもの夢を否定してしまうのは良くない。
・・・
少し大切なことを書きました。
子どもの教育が上手くいっているご家庭というのは必ずしもご両親の意見は一致していません。
別々の視点から話をしてもらえるので、子どもは視野が広がります。
ご両親のそれぞれに考え方があることを知り、その背景を想像する中で、「人生の考え方や正解は一つではない」というごく当たり前の真理を子どもたちは学んでいくことになります。
またそうしたご両親の姿から、自分とは違う考え方を尊重できる人間関係の築き方、ということも学ぶことになります。

夢とは生きる目的のことです。
目的があるということが、日々の活動の原動力になりますから、それを否定ばかりされてしまうと本人は次第に無気力になっていきます。
人生経験が圧倒的に足りていないため、言っていることはたしかに未熟であることが多いのですが、目の前の勉強やスポーツや芸術で輝けていない場合、どこか違う方面に活路を見出して活躍したいと願うのはごく自然な考え方だと思います。
そのため、私も生徒の夢は否定しない立場をとるように心がけています。
しかし、その選択肢を選んだ場合のリスクは伝えるようにしています。
つい先日もプロゲーマーに興味があるという中学生と話をしていました。
本人はプロゲーマーの何が悪いのかわからないということでした。
ただ、話をしていた時点で本人も自覚していたのは、収入が不安定であるという点と「社会的信用」があまりない仕事であるという点です。
(「社会的信用」という言葉は本人は使えないので、こういうときに使い方を教えます)
そのときは、「社会的信用がない」ということがどういうことを意味するのかを様々な事例を用いて話をしました。
例えば、15年後くらいに結婚したいと思う女性が現れたとして、そのときに彼女のご両親はプロゲーマーという仕事をしていると聞いて2人の結婚を快く賛成してくれるだろうか?応援してくれるだろうか?
といった具合に。
本人が想像できる事例を用いながら、このようにしてリスクを伝えていきます。
子どもが突飛なことを言い出した場合、ほぼ100%と言っていいですが、情報収集をきちんと行っていません。情報不足で、その選択肢のリスク(デメリット)を正しく把握してもいないのに、危ない道を進むというのはただの無鉄砲です。
ですから、母親が「どんな夢でも応援するよ」というスタンスなのであれば、父親は「たわごとは言うな!」とちゃぶ台をひっくり返していただくでも良いのかなと思っています(笑)


この記事をシェアする