Vol.122 都立受験コースの「受験校の選び方」
2020年07月14日更新
週末に高校受験生の保護者説明会を控えています。
そこでは、受験生全員の偏差値推移をご報告させていただくとともに、「受験校の選び方」についての実践的な手順についても、ご説明させていただく予定です。
ちなみに、高校選びについて当塾の方針は以下の記事にまとめてあります。
Vol.028 「進学するのに良い高校かどうか」で受験校を選ぶのは限界がある
「朱に交われば赤くなる」という故事がある通り、進学先の環境から子どもたちは何かしらの影響を受ける可能性が高いです。しかし、「環境から受ける影響」を絶対的な物差しにした子どもの学校選びは高い確率で失敗します。
人や環境から受ける「影響」には、良いものもあれば悪いものもあります。
どんな「影響」を受けるかを無意識に選択しているのは、他ならない子ども自身です。
「働きアリの法則」というものがあります。
生物が集団を形成するときに、「2割はよく働き、6割は普通に働き、2割は怠ける」といった現象が起きることを示す理論です。
この理論から言えることは、「超」がつくような名門校ですら「2割の怠け者」はいるということ。
本人のレベルが低ければ、どんなに素晴らしい学校に進学したとしても、結局は「2割の怠け者」から影響を受けることになるでしょう。
つまり、何が言いたいのかというと、環境を生かすも殺すも結局はその子次第ということ。
環境は大事ですが、それよりも大事なのは本人の人間性なのです。
本人の中に、前向きで生産的な考え方が根付いており、どんな困難にも負けない「強さ」が備わっていたならば、どんな学校に進学しても未来は明るいです。
なぜなら、「2割の働き者」もまた、すべての集団に存在しているからです。
そのような考え方から、プラスジムの高校受験※は「どこに合格させるか」ではなく「受験という追い風を使って生徒をどれだけ成長させられるか」を最優先に考えて、生徒指導にあたっています。
(※大学受験はまた違った考え方を持っています)
それが「都立受験コース」です。
じつは、「成長」させるのに最も適した「受験校の選び方」というものが存在します。
それは合格確率50%の学校。
これについては、アメリカのジョン・ウィリアム・アトキンソンという心理学者が行った「輪投げの成功」という有名な実験があるのですが、実験結果の結論だけを述べると最もやる気が高まるのは「成功確率50%」の難易度の輪投げに挑戦させたときであったそうです。
実際には、「学校までの距離」など他の要素も考えながら受験校選びをしますから、その条件を満たせる生徒ばかりではありませんが、一つの目安として覚えておいてください。
もう一つ大事なのは、親が「合格」に執着しないこと。
特定の学校の「合格」に親に執着されるほど、子どもにとって迷惑な受験はありません。
それについては過去記事にまとめてありますので、そちらも合わせてどうぞ。
Vol.089 親からこの言葉が出てくる子の受験はきっとうまくいく