Vol.130 満足度の方程式

Vol.130 満足度の方程式



2019年11月26日投稿
2020年07月14日更新



サービス業の世界には、次のような方程式が存在します。

「実際の成果」 - 「事前期待値」 = 「お客様満足度」

「事前期待値」が高いと、普通レベルのサービスでは満足できないことを表す方程式です。
前評判が良すぎる飲食店に行って、がっかりしてしまうことが多いのはこれが理由。
これによるとお客様の満足度を高めたければ、「事前期待値」は低い方が望ましいわけです。

この方程式を親子の関係性に当てはめてみましょう。

「試験の結果」 - 「事前期待値」 = 「親の満足度」

子どもの試験の点数が悪いことに、お怒りになる保護者様がいらっしゃいます。
なぜ、そんなに子どもの点数を不満に思ってしまうかと言うと、「事前期待値」が高いからです。
では期待をかけないことが子育てにおける正解なのかと言えば、まったくそんなことはありません。
むしろ、子どもに大きな期待をかけてあげることは親の役割として最重要と言っていいくらいに大事なことではないでしょうか。
なぜなら、その期待が子どもの中に「根拠のない自信」を育てるものだと考えているからです。
生まれてきたときに自分にできるかどうかについて何の判断材料も持たない子どもたちが、「自分にならできるかも」と思い始めるきっかけ。
環境や生来の性格など様々な要因もあるでしょうが、信頼している「誰かからの期待」に勝るものはないように思います。

Vol.129 根拠のない自信

大きな「事前期待値」は失望や怒りにつながる可能性があります。
しかし、子育て上手な親は期待を裏切られても、感情的に子どもを叱りつけたりはしないものです。
一つには精神的な余裕の問題もありますが、大きな差は「失敗」に対する認識の違いにあります。
子育て上手な親は「失敗」を「プロセス」だと考えるのに対し、子どもの成長を止めてしまう親は「失敗」を「結果」だと考えます。
きちんと勉強をやらなかったことにご立腹されているケースが最も多いですが、勉強をやらなかったことにも原因は必ずあります。
習慣力の問題なのか、知的好奇心が弱いのか、他のことに関心が向いてしまったのか、など。
「やらなかった=本人が悪い」で思考停止にならないことが大事です。


この記事をシェアする