Vol.148 緊急事態宣言

Vol.148 緊急事態宣言



2020年04月07日投稿
2024年08月27日更新



4月7日、緊急事態宣言が発令されました。
歴史的出来事と言っていいと思います。
強制力が弱いとか、色々と問題点を指摘されてはいますが、少なくとも当塾はこの宣言によって休校判断いたしました。
2週間以上もの期間、教室を閉めるのは開校してから初めてのことです。
まさか、政府の要請によって休校しなければならない事態が発生するとは思いませんでした。あるとしたら首都直下型の大地震かと思っていましたが、人生何が起きるかわからないものです。
皆さんにとってそうであるように、私にとっても今回のことはすべてが初めての経験です。
こうした場合、塾としての「考え方」を示しておくことが、とても大切だと考えています。
ここまでの経緯をここで一度振り返っておきます。

この新型肺炎のニュースをはじめて知ったのは2019年末でした。
正直、この時点での危機感はまったくなかったです。
よくあるニュースのひとつ、くらいの認識でいました。
私が最初に「これはまずいな」と思ったのは、武漢の感染者数が日増しに増えていた1月中旬頃です。その後に春節を控えており、大量の中国人が来日することがわかっていたので、その前にマスクを大量に確保しておく必要性を感じました。
当時はいくらでもマスクは買えましたので(その2週間後くらいからマスク不足が問題になり始めました)、教室の講師全員分のマスクを確保しました。
この判断が結果的には吉と出て、プラスジムでは2月上旬から今に至るまで講師全員がマスク着用で授業を行うことが出来ています。
マスクによって、「感染させてしまうリスク」を低減できることはほぼすべての専門家によって認められていますので、全員マスク着用というのは感染対策において一定の効果があったのではないかと総括しています。

2月27日の安倍首相の学校休校宣言があってからも休校はしませんでした。

Vol.143 新型肺炎、プラスジムはこういう方針で対応します

感染リスクはゼロではありませんでしたが、勉強を休むことになるリスクと天秤にかけ、そのまま開校を継続しました。ただし、通塾するかどうかはご家庭の判断を最大限尊重させていただくようにしました。結果的にそのことが理由で退塾される方は1名もおられませんでした。
3月初旬はお休みしていた生徒もいましたが、2週間後にはほぼすべての生徒が普段通りに通塾するようになりました。
開校していることに対しては感謝のお声をいただくことが多く(逆はまったくありませんでした)、皆さま、やはり突然の学校休校でお困りだったのだとあらためて実感した次第です。
業界の情報では、3月初旬に開校している学習塾の生徒出席率は70%程度というデータが出ていましたが、プラスジムは出席率が97%を超えていました(笑)
皆さまのお役に立てて良かったです。
あわてて休校にせず、開校していて良かったと総括しました。

さて、その一方で強烈な危機感を持っていたのも事実です。
私はこういうときは悲観的に事態を想定して動く人間です。
「なんとかなるだろう」なんていう意識が一番危ない。
2月上旬の時点で、人生で経験したことがない事態に直面しているという認識でしたから、2月27日の宣言を受け、さらに警戒を強めました。
その日からは、東京が1か月前の武漢のようになる日が来る想定で動き始めました。
この時点で何人のスタッフが同じように思っていたかは疑問です。
しかし、プラスジムのスタッフは、それを前提に行動を開始してくれました。
3月、塾が通常運営を続ける裏側で、怒涛のオンライン準備が始まりました。
後年、これに関しては「プラスジムの奇跡」として語り継がれるのではないかと思います(笑)
オンライン移行に関して特に障害が多かったのが1対2の指導スタイルの中学生です。
動画を補助教材として使うことで、この課題をクリアすることにしました。
しかし、授業動画を撮った経験もなければ機材すらない私たち。
すべてを手探りで、一から準備や撮影を開始しました。
動画作成の実務的な手順は素人だったのですが、授業は驚くほど上手く撮影できています。
今回の授業動画に出演しているのは全員東大生、しかもプラスジムでも最高峰の講師陣です。
授業力とプレゼン技術に優れていれば、動画授業もまったく問題がないことが判明しました。
これだけ授業力のある動画は、現時点でのYouTubeではあまり見られないです。
2月28日に行動を開始し、本日4月7日時点でなんと100本の講義動画が手元にあります。
4月末までに168本の動画作成を予定しています。
動画と連動するかたちで、塾のオリジナルテキストも作成しています。
全国の皆さまへプラスジムの指導をお届けできる日も近いかもしれません。

そういうわけで、緊急事態宣言は私の中ではすでに想定内の事態となっています。
この1ヵ月で出来る限りの準備もしてきました。
あとはオンラインでのサービス提供開始に向け、いくつかの実務的な手順をクリアするだけです。
初めてのことですから、通信面など、最初はトラブルも避けられないとは考えていますが、爆速でオンライン運営の知見を蓄積し、一日も早く安定したサービスを提供できる体制を構築します。
オンラインに不信感のある方も多いと思います。
私も実はそうでした。
中学生校舎へはスマホ持込を禁止にしているくらいですから。
しかし、事態がこうである以上、オンライン以外の選択肢がないのも事実です。そうなのであれば、オンラインでベストの選択肢となれるように努力するのが、当然の企業努力でしょう。
過去の常識は捨てなければなりません。

事態収拾の見通しは全く立っておらず、コロナ惨禍は長期化の様相を呈しています。
最悪のケースでは1年以上も今の状態が続くかもしれません。
そうなると、受験制度も大きく変わることになると思います。
今まで遅々として進むことがなかった文科省主導の大学受験改革も、コロナウィルスで一気に前に進む可能性があります、いえ間違いなく進むことでしょう。
日本の教育は旧態依然とした価値観にがんじがらめになっており、問題だらけでしたから、今回の混乱をきっかけに意外と良い方向に進むかもしれません。

とにかく塾としては決してあきらめず最善を模索し続け、生徒たちに明るい未来を届けられるように最後の最後まで頑張ります。
どんな困難があっても、そういう姿勢を失わないことが、大人が子どもに対して見せることのできる最高の教育だと私は考えています。
未曽有の緊急事態。
大人一人ひとりの生き方が問われています、子どもたちがその姿を見ています。
それぞれの立場で大変な困難に直面されていることと思いますが、お互い何とか無事にこの危機を乗り越えましょう!


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