Vol.149 ピンチをチャンスに変えるための考え方
2020年04月14日更新
「ポジティブシンキング」という思考上の武器があります。
悪い出来事も捉え方の解釈を変えることで、良い出来事にみえてしまう、あるいは本当に良い出来事にしてしまうという方法です。
その技術を「リフレーミング」とネーミングして紹介しているカウンセリング理論もあります。
あるいは、『7つの習慣』という本の中で著者のコヴィー博士は、「自分の反応を選択する力」という考え方を紹介しています。
「ポジティブシンキング」も「リフレーミング」も「自分で反応を選択する力」も、私にとっては同じものです。
それらの教えを、ひと言で言い表すなら、「ピンチをチャンスにせよ」ということです。
少なくとも私はそのように解釈して使っています。
ピンチをチャンスに変えるパターンは3つに類型化できると私は考えています。
便利な考え方なので、ぜひ3つとも覚えておいてください。
どれも実践的ですぐに使えます。教師や親の立場であれば、子どもが何かに失敗したときや悪い出来事に遭遇してしまったときのアドバイスとして役に立ちます。
ただし、相手が感情的になっているときはその感情の処理を先に行わなければ失敗します。
まず先に「悲しい」「腹立たしい」「悔しい」といった心情に対して共感を示すことが絶対条件です。
相手の気持ちが落ち着いてから、アドバイスを実行してください。
一つ目の解釈は、「自己成長」につなげるパターンです。
例えば、大切なものを紛失してしまったときに「大人になると個人情報の入ったPCなど紛失が許されないものを扱うこともある。そういうものでなくてよかったと考えよう。人間は自分で痛い目をみないとなかなかわからないものだから、今回の件をきっかけにモノの管理方法を見直そう。」といったような解釈が考えられます。
最も汎用性のある解釈であり、ほぼすべての失敗はこのパターンに当てはめることができます。
まずはここからやってみると良いでしょう。
二つ目の解釈は、「変化のきっかけ」につなげるパターンです。
例えば、今回のコロナ禍で、私が医療政策の担当者であった場合で考えてみると、これを機に「オンライン診療」の導入を一気に進めることができないか検討してみるようなことが当てはまります。通常時であれば、お医者様に切迫したニーズがなければ重い腰も上がらないと思いますが、今なら、それができそうな気がします。コロナと関係のない患者様も病院に行きたくないでしょうし、お医者様自身も、リスクを低減できるでしょうから。その考え方が正しいかどうかは別として、そういう風に考えましょうということです。
ちなみに私は塾経営者として、今回のコロナ禍をこの二つ目のパターンで解釈しています。
三つ目の解釈は、「誰かの役に立つ」につなげるパターンです。
人に何かを教える立場にいる人や、リーダーにとっては使える考え方です。
誰でも大きな失敗や悲しい出来事は起きてもらいたくないと願っていますし、それは私も同じなのですが、そういう経験をしたときに、「相手の心情を理解することや、語るに足る資格ができた」と考えることができます。困難や不幸の渦中にあって「どうせあなたにはわからないでしょ」と知らず知らずのうちに他人を拒絶してしまう人は多いものです。
そのようにして心にフタをしてしまっている人と向き合うときに、自分にも同じ経験があると格段に信頼関係が築きやすくなります。
同じ困難を過去に乗り越えた経験があったりすると、さらに理想的。
なくてもいけるのですが、あった方が信頼関係を築ける可能性が高くなります。
このように長い目であれば失敗も困難も悪いものではありません。
ただし、それも命あってこそ。
体調管理だけは万全にして、今回の危機を乗り越えたいと思います。