Vol.159 自責のメリット

Vol.159 自責のメリット



2020年06月23日投稿
2020年06月23日更新



いまの時代、「自責」という言葉がどこかネガティブな言葉として扱われている気がします。
心の病の問題もありますし、あらゆる場合において「自責」が正解だとは思いません。
しかし、「自責」だからこそ明るい展望を持てる、という側面もあるのです。
どういうことか具体例を挙げて説明します。
学年が変わり、わかりにくいと評判の田中先生が英語の担当になってしまった。
よりによって、英語は最も苦手な科目。
わかっていたことですが、1学期の期末テストは散々な結果になってしまいました。
「他責」思考で考えると、この悲惨な点数は田中先生が原因であるという結論になります。
しかし、田中先生が原因と考えている限り、田中先生が変わらないことには2学期も3学期も同じ未来が待っています。
つまり、「他責」は他人依存の人生なのです。
それも、大嫌いな田中先生に依存する人生。
田中先生は比喩としての存在ですが、ここには学校名が入ったり、テストそのものが入ったり、問題集が入ったり、様々な可能性が考えられます。
そうやって何かのせいにしている限り、自分は傷つきませんが、自分を苦しめている状況が変わることもありません。
こんな「他責」もあります。
なにかを提案したときに「その日は~できない」という断定的な言い方をする生徒です。
本来、「~できない」は、例えば「病院のベッドの上から動けない」とかそういう事態になって初めて使って良い言葉。何か重要な予定があって「~できない」のはわかりますが、その予定に自分の思考が支配されてしまっているのです。自分にはその予定以外にもあらゆる可能性や選択肢が存在し、その中からどれを選ぶかを決めているのは自分自身であるはずなのにも関わらず。
誰かになにかを強制されているような言い方は「他責」であり、望ましくありません。
「その日は●●を優先させてください。」と言うようにしましょう。
「できない」という言い方を繰り返しているうちに、硬直的な思考が染みついてしまいます。
「できない」のではなくて、自分の意志と選択の問題であるということに気づかないといけない。
そうやって何かのせいにして目の前の問題から逃げているだけなのです。
ほとんどの場合、それはできます。

もうおわかりだと思いますが、「自責」のメリットは自らの力で未来を変えられることです。
「他責」でいる限り、自分の人生はすべて誰か他の人まかせ。
「誰かのせい」にしている限り、その状況はいつまでも変わりません。
そのことに大人になるまでに気づけるかどうか、が人生の大きな分岐点だと思います。


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