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Vol.176 勉強音痴 

Vol.176 勉強音痴 



2020年10月20日投稿
2020年10月20日更新



どんな分野にも当てはまるのですが、絶対に伸びない人というのがいます。
わかりやすいので歌唱力で言うと、

自分で「音痴」であることに気づいておらず、またそのことを認めようともしない人

です。
運動音痴、方向音痴、味音痴といった言葉はありますが、勉強音痴という言葉は耳にしません。
その理由は、「音痴」には「自覚力の欠如」という意味があるからだと私は考えています。
勉強の場合は試験の点数として、自分の実力が可視化されることになります。
20点は20点、採点ミスなどない限り、1/5しか正答できていない事実は揺るぎません。
だから、本人はきちんと出来ていないことを自覚しているものと思われている方も多いです。
しかし、これが大きな間違いなのです。
勉強にも「音痴」の症状を持つ生徒はたくさんいます。
低得点域では、その点数の意味を正しく理解している生徒の方がむしろ少数派です。
それどころか、自分はそれなりに上手くやれていると思っていたりする生徒すらいます。
客観的な立場の人間からすると、これだけ明らかに結果が示されているのに、なぜわからないのかと思ってしまいますが、「音痴」相手に説得しても無駄です。
試験結果など、本人からすればカラオケの採点機能のようなものなのです。
いくら言われたところで、わからないものはわからないし、認めたくもない。

こうした状態ではいつまでも成長しないですから、なんとかしなければなりません。
まず頭に入れておくべきことは、勉強の「音痴」は直せるということです。
類型としては主に2パターンあるので、それぞれについて述べていきます。

■客観的な認識力が欠けているケース
自分を客観視する能力は育つものであり、最初からあるものではありません。
身もフタもない言い方をすると、成績の良い生徒にはそれは備わっており、成績の悪い生徒には欠けています。
なぜなら一般的に、客観的な認識力は知識の量に比例するものだからです。
たくさん勉強すればするほどに、全体像を理解し、自分の立ち位置もわかるようになってきます。
解決策としては、一度高いところからの景色を見てみることです。

Vol.127 高いところから見る景色

具体的には、特定の科目だけを集中して勉強し、過去最高点を狙ってみるのが良いでしょう。
「高得点を取るとはこういうことか」を意図的に体験させるのです。
あとは試験の目標点を立てることと、試験後に解き直しと反省を行うこと。
当たり前のことですが、この当たり前をきちんと出来ている生徒の方が少ないです。
以下の記事でも同じことを書いています。

Vol.173 成功基準と経験

■自己認識が歪んでしまうケース
この原因は、多くの場合、他人が作り出しています。
もっとも多いのは、成果(結果)ばかりを求める親の育て方です。
例えば、平均点以下は自分の子にあらずと言わんばかりの叱責をすれば、子どもは平均点以下である自分を素直に認められるはずがありませんよね。
そうとは認められない事情があると自己認識は歪むのです。
人間は自分の都合の良いように世界をみようとするからです。
この傾向、大人の世界では、プライドが高い人間にもよく見られますよね。
解決策は「認めたくない」気持ちが強いことが根本的な原因なので、それを取り除いてあげることです。成果ではなく相手の存在そのものを承認する言葉を多くかけてあげて、居場所の安全性を伝えてあげることがもっとも大事。
本人に事実と向き合う勇気を持たせてあげることです。
このケースの場合、客観的な証拠を集めてそれを認めさせようとするのは心理的作用から考えると逆効果になることも多いので、気を付けてください。


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