Vol.207 差がつくのはこの学年
2021年06月01日更新
勉強※をがんばっている高校1年生をみると、「若いのに良くわかっているなぁ・・」と感心します。
普通はなかなかできないことだからです。
※)本記事では便宜上、英語や数学のような教科の学習を「勉強」と定義します。
勉強は、ある意味では将来への時間投資であり、「自分の価値を高める」ための活動です。
ちなみに、「自分の価値を高める」とは「差を生み出す(差別化)」とほぼ同じです。
では、その差はどこで生じるのか。
これは受験期ではありません。
受験が近くなると、ほとんどの生徒は勉強をがんばります。びゅんびゅん追い風が吹きます。
こうした時期に大きな帆をはって、全速前進することは有意義です。
しかし、他人との差別化という観点で言うと、受験期にそこまで大きな差は生じません。
みんな同じように前進するからです。
大きな差が生じるのは、その後。
勉強が本人の自主性にまかされる、高校1年生が分岐点だと生徒を見ていて感じます。
もし、あなたが高校1年生なら聞いてみたい。
部活動などが原因で、勉強のために使える合計時間が受験生の頃よりも減ってしまっていることは仕方がないとして、その時間に占める勉強時間の割合はどうなっているでしょうか?
受験生の頃と同等、あるいはそれ以上の意識で、いまの自分は勉強と向き合えていますか?
・・・
もし、それができているなら人生の成功は約束されたようなものです。
まわりがやれていない時期の努力は差別化になるからです。
もちろん、勉強をがんばることだけが、自分の価値を高める方法ではありません。部活動を通じてチームワークを学んだり、起業するためにプログラミング言語を学んだりすることも、とても有効な時間の使い方だとは思います。しかし、残念ながら、日本の高校生の場合、それだけではあまり上手くいかないのです。
これは本人というよりも、教育システムの問題です。
高校卒業後の進路について、大半の生徒は「大学進学」を検討することになります。そこで選択肢を増やそうと思うと、結局は成績を無視できなくなるのです。
それが現実。
たしかに、ひと昔前と違って、大学入試も多様化しています。「総合型選抜(旧AO入試)」のように課外活動実績や面接での人柄を評価する入試形式も増えてきてはいます。しかし、人気大学の総合型選抜は高倍率ですから、それだけに集中する大学受験というのは現実的ではありません。
受験生としては二重三重に保険をかけておく必要があり、その中には一般入試へ向けた受験勉強も含まれます。「総合型選抜」狙いだから(勉強はほどほどにして)課外活動に集中していても大丈夫、とはならない点には注意が必要です。
「大学進学なんて最初から考えてない」という生徒は別として、そうでないなら、大学受験の準備は早ければ早いに越したことはないです。
差をつけるのであれば、まわりが誰も動いていないときにこそ、動き出してください。