Vol.213 塾名の由来
2021年07月13日更新
当塾の正式名称は「個別指導プラスジム」です。
命名者は私です。理由あってのネーミングではあるのですが、長い間、塾名の由来を口にすることはありませんでした。
そのあたりのことについて書いてみたいと思います。
「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」
米国人作家レイモンド・チャンドラーの小説に出てくる有名な言葉で、私の好きな言葉です。
優しくあるべきかどうかは価値観ですが、強くなければ生き抜いていくことができないわけですから、まず前提として人は強くならなければなりません。
そのため、創業当初から生徒を強くすることに貢献したいという想いがありました。
「生徒を強くする」→「鍛える」
というところから、「ジム」という言葉がぱっと思いつきました。
背景にある想いは今も変わっていないのですが、このときの連想が安易すぎたという反省があり、恥ずかしくてあまり言い出せなかったというのが塾名の由来が隠されていた一つ目の理由です。
あわよくば、塾名を変更してやろうといつも狙っていました(笑)
これは今日ここで初めて公にする事実です。
もう一つ理由があります。
こちらの話は説明会や講師研修でたまに話をしています。
勉強を教えるだけでは「本格的な学習経験のない」生徒の成績はまず伸びません。
運動に例えると、基礎体力がないために本番の試合で活躍できない生徒がいるのです。
そんな生徒たちの得点力を伸ばすために必要なのは学習トレーニングです。
「わかる」を「できる」に変えていくための学習機会。
個別指導に加えて、そんな学習トレーニング機能も併設した塾ができると理想的だな・・。
そのように考え、「個別指導」プラス「ジム」という塾にしたのです。
しかし、開業後すぐにこのコンセプトは迷走します。
「講師全員東大生」というのが開校時の特徴の一つでしたから、それをチラシやホームページに書いたのですが、そうすると難関私立中高一貫校の生徒たちが次々とやってきてくれたのです。
その多くは、私が事前に想定していた「本格的な学習経験のない」生徒ではなく、SAPIXや日能研のような中学受験塾で、みっちりと基礎学力を鍛えあげた生徒たちでした。
「想定と違う!」とは思いましたが、ハイレベルな生徒だからといって学習課題がないわけではありませんし、個別指導で対応させていただくこと自体は問題ありませんでした。
共同創業者の神宮は、社会人になって受験した模試でも東大A判定を出していたほどの実力者です。生徒一人ひとりの学習課題を丁寧に拾い上げ、個々に合わせたカリキュラムを作成し、東大生講師陣に指導手順について説明し、それを管理していました。
塾を起ち上げてから2年近く、卒業以外の退塾者は0名でした。
生徒数もすぐに100名を超えましたし、塾として一定の成功基準は満たせていたのではないかと思います。
ただ、その間、公立中学生をお断りしていたわけではありません。
少ない人数ながらも、この塾を選んで通ってくれる公立中学生がいました。そして、その多くは事前に想定していた通り、「本格的な学習経験」がないため、試験本番での得点力がなく、学習のトレーニング機会が必要な生徒たちでした。自習に呼ぶなど、最初は個別に対応していたのですが、そのうち個別対応では間に合わない人数の生徒が集まってくれるようになったのです。
そうした流れの中で生まれたのが、プラスジム式「自立学習」です。
高校受験コースで2016年にその原型ができ、2019年にほぼ今の形式に落ち着きました。
効果が出るため、今春から高校受験生だけでなく、公立中学生全員の標準メニューとしています。
このようにして現在、創業前の構想通り、学習トレーニング機能併設型の学習塾になりました。
最初に考えていたことがようやくかたちになったと言えるかもしれません。
ただ、私にとって想定外だったのは集団指導も行っていることです。
個別指導と自立学習だけであれば、個別指導+自立学習ということで、「個別指導プラスジム」で良いのですが、集団指導も行っているため、自分の中でこの名前に少し違和感があります。
そのため現在は、自塾名を正式名称ではなく「プラスジム」と言っています。