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Vol.251 宮武先生(後編)

Vol.251 宮武先生(後編)



2022年04月05日投稿
2022年04月05日更新



「都立受験コース」2代目代表であった宮武が、3月27日、プラスジムを卒業しました。
この塾での彼女の物語の、今回は後編となります。

宮武先生(前編)

宮武が入社した頃、コースを率いていたのが廣岡です。
生徒からの圧倒的な信頼、楽しい雰囲気を演出、あるいは一瞬で場を沈黙させることもできる強い言葉の数々、なにより創始者として「都立受験コース」のすべてを知っていたカリスマ的な存在。

働き始めて2年目の彼女を、「都立受験コース」に配属することにしました。
廣岡の仕事を間近でみせるのが、最も成長するだろうと思ったからです。
このやり方は、やる気もセンスもなければ悪影響になってしまいますが、宮武は違います。
想定通り、自分と廣岡の実力差に悩み苦しんではいましたが、それでも腐らずに廣岡の良い面を次から次へと学び、飛躍的な成長を遂げてくれました。
とにかく、負けず嫌いなのです。
2019年3月、その廣岡が退職することに。
私は彼女に後任をお願いしました。

廣岡の卒業を目前にして、不安そうにしていた宮武。
それまで「都立受験コース」で一緒にがんばっていた近藤※、上野も同じように不安そうでした。
(※近藤についての記事はこちら
卒業式の日、切なげな表情をしていた3人を今でもよく覚えています。
しかも、そのとき、教室を卒業していったのは廣岡だけではありません。
塾のすべてを創ってきたと言っても過言ではない講師達が一斉に卒業したのが、その年度でした。
彼らがいなくなったあとに私は一つの記事を書きました。

最高の教師

「都立受験コース」代表としての3年間、彼女が、この塾で行ってくれたことは数多くあります。
別の人間がその役割をこなしていても、ある程度までは同じことが出来たかもしれない。
しかし、彼女なしでは、そうはならなかったと断言できることが一つあります。
それは学習塾として、未踏の領域への挑戦でした。
彼女は東大教育学部でしたが、大学で学んでいたこととも関係がない。
それが、「物語性の付与」です。
節目節目に、彼女が全体に語りかける言葉によって、生徒の挑戦がどんどん意味付けされ、そこにたくさんの物語が生まれる。まるでTEDトークを観ているかのような彼女のプレゼンが、全体のレベルを劇的に押し上げ、さらにその流れが加速される。
これこそ、他の誰にも真似ができない仕事だと思いました。
意図的にやっていたのは私で、彼女はごく自然にその役割をこなしていただけですが。
物語に共感したとき、人間の感情は動きます。
そうなると、生徒に別次元の影響力を発揮できる可能性が生まれます。
悔し涙、嬉し涙、笑い泣き、感動して自然と流れる涙・・
感情が一定量を超えたときに出るのが涙。
彼女が代表になってから、この教室では涙を流す生徒や講師の姿をみることが多くなりました。
その教育的意義は、いくつかのブログには書いています。

受験の重要性を子どもが理解できない理由

「都立受験コース」が物語の集合体だとすれば、統括する立場にいる彼女はその舞台の主役。
彼女がこの塾を卒業する日がいつになるのかはわからない。
ただ、その日のイメージは最初から私の中にはありました。
廣岡がこの塾を去っていった日と同じように、たくさんの教え子が集まってくれる温かい時間にしよう、結婚式のように、生涯忘れることができない素晴らしい1日にしようと思いました。
その日、集まってくれた生徒たちの前で彼女は、それまでの人生について語る。
その物語が、たくさんの困難を乗り越えた経験に基づいたものであれば、きっと多くの生徒たちの共感を得るに違いない。
そのようにして多くの生徒の心に大きな影響を残し、惜しまれながらここを後にする。
未来のことなんてほとんどわかりませんが、その日のイメージだけは最初からありました。

彼女は自分がいい思いをしたくて、一生懸命に仕事していたわけではありません。
挑戦し、苦労することを通じて、生徒が成長し、幸せで豊かな人生を歩んで欲しい。
それだけを願って、一生懸命に仕事をしていたのです。
「宮武先生みたいに(私も努力をして)幸せになる」と生徒が共感してくれることほど、彼女の望むこともないだろうと思っていました。
そのようにして迎えた2022年3月27日。
プラスジムとしては初の試みである、生徒参加型の講師卒業式を行いました。

この卒業式は彼女一人だけが主役ではありませんでした。
これまで3年間、一緒に「都立受験コース」でがんばってきた最高の仲間である、近藤と上野も同じタイミングで卒業を迎えることができたのです。苦楽を共にしてきた2人と一緒にその日を迎えられるのは、何より幸せなことだろうと思いました。
宮武のために、近藤のために、上野のために。
たくさんの教え子、心から信頼している仲間、OBOGの先生たちが集まってくれました。

澁谷の演奏の力も借りて、卒業式の彼女はとても輝いていました。
生徒の心にも、大きなものを残せたのではないかと思います。

言葉では表現できないくらいに、カッコよくて素敵な先生でした。
彼女が最後の最後まで言っていたこと。
それは近藤や上野をはじめとする最高の仲間がいたから、今日の私があるということ。
良き生徒、良き仲間に恵まれて、本当に良かったね。
卒業おめでとう。
また会える日を楽しみにしています。

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