Vol.299 親の気持ち
2023年03月07日更新
次で塾長ブログも最終号となりますが、昔の自分の記事を何度読み返しても、あまりブレていないというか、一貫した「想い」を持ってやっていたのだなと思います。
自分の今の言動と矛盾を感じるようなことはあまりありません。
しかし、少し自分の中で「考え」が微妙に変わったなと思う記事があります。
それが以下の記事。
書いたのは2018年3月なので、今からちょうど5年前です。
記事に書いてある通り、失敗から学んだ結果として、私は保護者様をあまり優先しなくなったのですが、ここ数年はむしろ子育てにおける親の幸せは何かをすごく考えるようになりました。
子どもの成長を実現することで喜んでいただきたい。
それは今も変わらずにそうなのですが、それ以外にも自分に出来ることはもっとあるのではないかといつも考えています。そうなれたのは「生徒を安心してまかせることのできる講師陣がいる」というのもあるのですが、自分が親世代と同じ年齢になったことも理由として大きいと思います。
現代の親って大変だなと、つくづく思うのです。
そもそも、正解がよくわからない。
世の中がどうなるのかは不透明だし、日本の未来に関する明るいニュースはほとんどない。
インターネットには情報があふれかえり、スマホの使い方一つとっても、積極的に活用させるべきなのか距離をおくべきなのか、識者によって意見が様々です。
まわりに親はたくさんいますが、自分の子どもと同じ子はどこにもいません。幼馴染の湊くんや陽菜ちゃんと、自分の子どもは成績も性格も全然違うから、人の話もあまり参考にならない。
そんな中で、子どもの将来を左右するような決断をしなければならない。
しかも、その決断の結果を引き受けるのは、自分ではなく大人になった子どもなのです。
自分は死ぬほど悩んでいるのに、肝心の子どもは危機感もなく、遊んでばかりにみえる。
子育ても、その本質は孤独な戦いなんですよね。
30代までの私はどちらかと言うと、子どもが弱い存在で、大人はもっと強い存在であるという考え方でした。しかし、自分が40代になってみると、決してそういうわけではないなと思うのです。
たくさんの悩みや不安で毎日頭がいっぱいになるし、心なしか少しずつ気力や体力が弱ってきているように思う日もある。
心が折れそうになることも何度もあるけれど、守るべきものがあるから、必死になって踏ん張って何とか立っている。なんかそういう感じなのです。
若い頃よりは、はるかに精神的に強くなった自覚はあります。
人に優しくすることもできるようになりました(昔よりは)。
しかし、それ以上に社会的責任や背負うものが大きくなるので、気持ちの余裕は正直全然ない。
ただ、大変だから楽しくないかというと、それもまた違います。
日々の出来事に感動しやすくなりましたし、自分と接点のある人たちとの関係性に、より深い感謝の気持ちで向き合えるようになりました。
大人になってみて思うことは、人の助けはとにかくありがたいということです。たくさんの心の悩みの、どれか一つでも誰かが共感して寄り添ってくれるのなら、本当に心強く思うのです。
少なくとも、思春期の子どもの教育という領域においては、私にもお手伝いできることがあります。
大変なことの先に、どんな感動が待っているのかも知っています。
世のお父様お母様に、それをお届けすることも私の使命だなと思うようになりました。
20代の頃の自分には想像のできなかった考えです。