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Vol.068 素直になりましょう

Vol.068 素直になりましょう


2018年09月04日更新



「素直」な人は成長します。
人を育てたことのある大人であれば、誰でもわかっていることです。
しかし、「素直」という言葉には色々な意味があるため、そう言い切れない大人も多い。
「素直であれ」と生徒や子どもに伝えたい場合、成長するために必要な「素直さ」とは何か、言葉の定義を自らがはっきり意図して使う必要があると私は考えます。

辞書で「素直」と引くと、類義語として「従順」という言葉が出てきます。
私は、生徒に「素直」であってもらいたいとは願いますが、「従順」であることは求めていません。
「従順」の意味を調べると、「言うことに素直に従って逆らわないことをいう(大辞林)」とありますが、なんでも言うことを聞く生徒が本当に伸びる生徒というわけではないです。

では、教師が生徒にこうあってもらいたいと願う本当の「素直さ」とはどういうものか?
わかりやすい例として、ノートの取り方が乱雑な生徒で考えてみます。
この生徒がキレイなノートを書けるようになるためには、以下3つのプロセスが欠かせません。
「素直の3ステップ」と名付けました。

【素直の3ステップ】

自分のノートが乱雑であるという状況を「認識」できる 【自己の客観視】

自分のノートの取り方に対する考え方をあらためる 【「思考」の変化】

実際にキレイなノートを書く 【「行動」の変化】


状況を正しく「認識」した結果、自分の「思考」が修正され、「行動」が変わる。
これが正しい成長のあり方であり、私たち教師が生徒に求める「素直さ」です。
3の「行動」の変化だけを求めるのとは、意味が違います。
ですから、正しく「素直」であるためには以下2つの条件を満たすことが必須です。

1:自己の客観視能力があること
2:思考や行動を変化させることへの柔軟性があること

さらに、以下の条件も満たしておく必要があります。

3:過剰な不安がなく、精神的に安定していること

精神的に不安定なときは、自己の客観視能力が低下する上に(認識が歪みます)、思考や行動が固定化される傾向があります。
心理学の詳しい説明は省きますが、心に余裕がなければ、他人のありがたい忠告も全く耳に入らないという当たり前の話だと思っていただければと思います。

何が正しいのか、どうあるべきかを自分の頭でしっかりと考えようとする。
人の教えや助言に耳を傾けることができ、結論が決して独りよがりにならない。
結果的に自分のこれまでの思考や行動をあらためる必要があると判断した場合には、大胆に自分を変化させていくことができる。

教師が「素直であれ」と言うとき、このような姿勢を求めているものだと思います。

<補足>
「行動」の変化だけを、先に要求する場合もあります。
「しつけ」や「ルールの強制」はこれに相当します。状況を正しく「認識」し、本人が考え方をあらためて行動が変わるのが理想ですが、そうなるまでの時間は個人によって差があります。
そのため、この期間を待てない場合(例えば、そのことによって他人に迷惑がかかっている場合など)は、行動の変化を先に要求することになります。