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Vol.096 廣岡先生(前編)

Vol.096 廣岡先生(前編)


2019年03月19日投稿
2019年03月19日更新



塾長ブログですが、今週と来週に限り、執筆担当を交代させていただきます。
プラスジムの看板教師であり、たくさんの生徒から慕われていた廣岡が3月末で母校への就職が決まり、退職となります。
授業だけでなく指導哲学という意味でも、非常に素晴らしいものを持った先生でした。
せっかくなので、何を考えて仕事をしていたのかを語ってもらうことにしました。お世話になった保護者様や生徒たちへのメッセージをブログにも残してもらいたかったのです。
それではどうぞよろしくお願いいたします。



プラスジム講師の廣岡です。
長い間、お世話になったプラスジムを2019年3月末に退職し、4月からは私の地元である兵庫県姫路市の私立高校で世界史の教師として働くことになりました。
塾に通ってくれた生徒、塾に通わせてくださった保護者様、そして同じ教室で一緒に働いてくれた職場の仲間に心より感謝の気持ちでいっぱいです。
長い間、本当にありがとうございました。
塾長より、この塾での経験を文章にまとめて欲しいと依頼があったので、僭越ではございますが、今週と来週の二週間、「塾長ブログ」の更新を廣岡が担当させていただきます。
前編の今回は、自分と生徒の成長のために心がけていた習慣について書きます。

2013年10月、東京大学の先輩の紹介でプラスジムの面接に来たのが仕事の始まりです。
いつ頃からか、宮前中学校の1人の女子生徒を担当するようになりました。
最初は授業準備の仕方や、報告書の書き方など、覚えることに精一杯でしたが、時間が経つにつれて慣れてきて、毎週のその生徒の授業をみることが楽しみになってきました。
そんな中、3月の学年末考査で転機が訪れます。
ずっと担当していた、その女子生徒の成績が思うように伸びなかったのです。
そのことを本人からため息交じりで聞いて、私自身も大きなショックを受けました。
恥ずかしながら、その当時の自分は「定期考査」への意識が薄く、毎週の授業を無事終えられたら、それで満足していました。
彼女の落ち込んだ表情をみて、「定期考査の目標」という基本的なことも生徒と共有していなかった現実に気づき、自分の至らなさに失望しました。

「生徒たちは何のためにプラスジムに来ているのか」
「自分が生徒たちのためにできることは何か」

そう考え始めたのがきっかけで、授業への取り組みが大きく変わっていきました。
どんな場所でも、入りたての頃は慣れない環境に身を置くことに疲れ、慣れていくほどに疲れなくなるものです。
私も、最初の数カ月は慣れとともに疲れが減っていきました。
しかし、この学年末考査の頃から、プラスジムを出て電車に乗る時に、働き始めた時にはなかった疲労に襲われるようになりました。
いま思い返すと、同じ勤務時間の中でも考えることが圧倒的に増えていたからだと思います。
授業準備では定期試験までの授業計画の見直し、教材の見直し、生徒に合わせたプリントづくり。
授業終わりには手作りのチェックテストづくり、引継ぎ用の資料づくり。
勤務時間が長くなったわけではないですが、塾にいる時間の密度が格段に濃くなりました。

大学の駐輪場から自転車に乗り、笹塚の家まで帰る15分が、1日の振り返り時間でした。
・今日の授業で上手くいったこと
・今日の授業で反省すべきこと
・来週の授業で工夫すること
を頭の中でまとめ、家でメモするようになりました。
授業でした会話を思い出しながら、どの教え方が伝わりやすいのか、何の話で笑ってくれたか、今日の感じだと宿題をいつやりそうか、出来は良さそうか、来週の授業は宿題の解説にどのくらい時間をかけようか、どんなネタを仕入れていこうか、など、独り言をブツブツ言いながら考えていました。

それからは定期考査や模試という目標に向かって生徒と一緒に頑張り、結果に一喜一憂し、次に向かえるようになっていきました。
授業にやりがいが増すことはもちろん、勉強の時間はより緊張感が増し、雑談の時間は一気に解放され、生徒との関係も深くなっていきました。

慣れてきたときが成長のチャンスだと思い、仕事に取り組んできました。
誰しも慣れるまでは労力を使いますが、慣れてしまうと労力を使わなくなる人が多いように思います。
そこで立ち止まるか、もう一工夫加えるかが、決定的な差になります。
この「プラスワンの習慣」が、自分をより高いレベルに導いてくれます。

中学生・高校生の生徒にも同じことが言えます。
新しい学年になって、新しい塾に行って、新しい教材を使い始めて。
環境が変わって、慣れてきたタイミングの一工夫で、成績の伸びは大きく変わります。
「慣れてきて楽になった」と思ってしまっては、伸びはありません。
慣れてきた時に「このままでいいのか」と疑う気持ちを少し持つだけで、未来は大きく変わります。
ひとつ例を出します。
先月、高校受験を終えたHくんは、中1からずっと英語が苦手科目でした。
勉強時間は取っているが、なかなか成績に表れず、もどかしい思いをしていました。
夏休みが終わった頃、自習用に長文教材を1つ勧めました。
この教材はHくんだけでなく、英語に自習時間を使うべき生徒には渡していました。
受験勉強を通して勉強方法が良くなっていたこともあり、日々のノルマを果たしていったHくんは、11月模試では英語の成績が大きく伸びていました。
ここまでは同じような経験をした生徒が何人もいます。
この時期に、長文教材をやっていた大半の生徒は、長文教材を同じペースでやり続けるか、成績が上がったことに満足してやらなくなっていきました。
Hくんが一味違ったのは、復習の仕方を変えていったことでした。
・2周目の読み返しを始める
・読み返しの時に分からなかった単語にマーカーを引く
読み返しに要する時間は5分弱です。
労力が増えたわけではありませんが、長文教材を確実に自分の力にするために加えた工夫でした。
受験まで息を切らさずこの教材に向き合い続け、苦手だった英語は一番点が取れる科目にまで成長しました。

新しい学年の生活に慣れてきた時、休み時間に3分単語帳を眺めてみる。
新しい塾に慣れてきた時、5分前に来て小テストの勉強をしてみる。
新しい教材に慣れてきた時、復習の方法を少しレベルアップさせてみる。

慣れてきた時が成長のチャンス!
ぜひ実践してみてください。