Vol.147 どれだけできるかを決めるもの
2020年03月31日更新
一人で勉強しているとき、自分が無理と思っている点数を取ることはできません。
正確に言うと、偶然「取れてしまう」ことはあります。
しかし、それは本人の実力ではなくて運です。
その生徒に経験豊富で実力のある教師がついていた場合、本人に「自信」はなくとも、その教師が取れると思っている点数まで可能性が広がります。
つまり、結果を出すためには本人か教師のどちらかがその点数を取れる「自信」があることが大前提だということ。
しかし大人になれば、いつもそんな教師が横についているわけではありません。
だからこそ、生きていく上で本人の「自信」は大切なのです。
本人の「自信」ができることの限界を決めることになるからです。
「自信」には根拠のあるものとないものがありますが、本人のまわりにいる成長支援者はそれを持たせてあげられるような関わり合いをしてあげたいものです。
どうも、その逆をしてしまっている方が多いようですが。
「自信」を持たせると言っても、では親の立場で具体的にどうやればいいか。
ほめることは大切ですが、他にも方法はあります。
今回は普段とは異なる観点から方法論を紹介させていただきます。
結論から言うと、子どもに「ありがとう」を言わせることを教えてください。
おススメは、今年度にお世話になった学校の先生方に、です。
より効果的なのは手紙です。
何をしてもらったかを具体的に思い出し、一つ一つを文字にさせてください。
出来ればその手紙は二通用意し(1枚はコピーでOK)、一通は自分用に残しておく。
そして、定期的にその手紙を読み返す。
この作業が「自信」を育むことにとても効果的です。
「言葉にする」という作業によって、自分がやってもらったことの振り返りを行うことができます。
多くの生徒は自分が支えられていたという漠然とした実感は持っているものの、具体的に誰にどのように支えられていたかにまで思い至らないまま、次のステージへ進んでいきます。
具体的でないため、思い出すこともなく、その先生とのやり取りは加齢とともに記憶の彼方へ消え去ってしまうことになります。
「たくさんの人に支えられて今の自分がある」という実感が「自信」の根拠になりえます。
「自信」がない人の実感はその逆である場合がほとんど。
いつも誰かの不満を言っています。
別にそれはそれで構わないのですが、単純にこれは損だと思います。
極論すれば、学校の先生が自分のことを助けていたかどうかすらどうでもいい。
「支えられていた」と考えた方が、自分が得をするということです。
3月31日、年度末。
今年一年お世話になった誰かに思いを馳せる一日にされてみてはいかがでしょうか。