Vol.077 勉強嫌いは個別でしか解決できない
2024年08月21日更新
勉強嫌いの生徒の場合、まず仲良くなって「先生との信頼関係による影響力を使う」というのが成績の伸ばし方の定石です。
成績を伸ばすには、本人が一人で勉強している時間に働きかける必要があるからです。
ここに影響力の強弱による差が大きく出ます。
例えば、嵐ファンの女子が、大好きな松潤から「来週までに英単語100個覚えてこようね!俺と約束!」と言われたとします。
できるかどうかはともかく彼女なりのベストは尽くそうとするでしょう。
これが不潔な中年男性だったとしたらどうでしょうか?
きっと3個くらいしか覚えてきません。
先生に対する圧倒的な信頼。
勉強嫌いの生徒を変えるには、これが大事なのです。
まずは「人(先生)」への興味。
そして、その「人(先生)」の持っている「知識(勉強)」への興味関心へとつなげていく。
思い出してください。
十代の頃に好きな科目があった人は、その科目に興味関心を持つことになったきっかけを。
きっとその記憶の先には、面白くて大好きだった先生がいたはずです。
そしてその先生はきっと、教えていたその科目を愛していたはずです。
「好き」がこのように伝播して、生徒は少しずつその科目を好きになっていきます。
集団授業は大変です。
勉強好きの生徒を相手するのであればともかく、勉強が好きでもない生徒に対し、科目の興味関心を深める授業を展開するというのは並大抵の技量ではできません。
だから、勉強嫌いの生徒にとって、ほとんどの先生の話はつまらない。
お笑い芸人に匹敵する話術があれば、なんとかなるかもしれませんが、先生にそこまで期待するのは酷でしょう。
そのため、勉強が不得意な生徒やその保護者からの信頼が厚い先生は、授業外での生徒とのコミュニケーションを非常に大切にされています。
話術の神のような先生を除いて、ここに例外はありません。
つまり、集団授業でも勝負を分けているのは「個別」対応なのです。
ではなぜ「個別」対応であれば、仲良くなれるのか?
理由は簡単です。
「個別」対応は、すべて相手を主語にした会話にすることができるからです。
どんな生徒でも一番興味関心がある人間は、好きなアイドルではなく「自分」です。ですから、「自分」に対して強い興味関心を抱いてくれている相手に対して、通常は好意を持つもの。
個別のアプローチでも「好み」の問題は発生しますが、生徒から一方的に「好き/嫌い」を審判される集団指導とは比になりません。
相手を主役にして会話する技術さえ磨けば、大半の生徒とは信頼関係を築くことができます。
講師によく教えるのは、生徒の「固有名詞」を集めよう、ということです。
例えば、通っている宮前中で一番仲の良い友人は亮太君。担任の先生の名前は篠原先生、好きなサッカーのクラブチームはFCバルセロナで、特に好きな選手はFWのスアレス(ウルグアイ代表)、暇があるとiphoneでモンスターストライク(モンスト)ばかりやっている。
生徒と仲良くなる先生は、このような情報をしっかり把握しています。
自分の子どもとのコミュニケーションを塾や家庭教師の先生は大切にしてくれているか?
先生との会話の中で、いくつの固有名詞が出てくるか?
勉強嫌いの子どもの先生選びでは、ぜひこうした点をチェックされてみてください。
■追記
さらに上級の個別指導技術に関しては以下の記事をご確認ください。
Vol.074 生徒の本気を引き出す魔法