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Vol.003 成績が良かった人って勉強苦手な子の気持ちがわからないのではないですか?
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Vol.003 成績が良かった人って勉強苦手な子の気持ちがわからないのではないですか?

「成績が良かった人って勉強苦手な子の気持ちがわからないのではないですか?」

入塾前、そのようにご心配される保護者の方がたまにおられます。

当塾では、東大生をはじめとした難関大学出身、あるいは在籍講師が多いのでご心配いただくのも当然かもしれません。
そのようなことは全くありませんのでご安心ください。
事実として述べさせていただくならば、「先生がわかりにくいので変えて欲しい」というご要望は東大生の方が圧倒的に少ないです。感覚的なものですが、半分以下です。そうでなければ難関大学出身者を積極的に採用することなど、とっくに止めています。
しかし、残念ながら「相性が悪いので、先生を変えてもらいたい」というご要望をいただくことはたまにではありますが、あります。その場合は担当講師を変えさせていただくようにしています。

今回は、「わかりにくい」の背景となる「生徒の気持ちがわからない」講師の真相を考えていきます。

まずは感情、本当に「気持ち」の問題です。
「勉強苦手な子の気持ち」に成績の良い人は共感できないということはありません。
なぜなら、現在進行形で彼ら彼女たち自身がその事実に日々悩んでいることが多いから。
学力の優越感どころか「劣等感」を感じている学生もいます。なぜなら、これまで学校でトップレベルの学力だった自分を遥かにしのぐ学力を持った学生が名門大学にはいるからです。
向上心を持つ人間の比較対象となるのは、大抵は自分よりもさらに上のレベルの人間です。
そんな彼らが成績を伸ばせなくて悔しがっている生徒の気持ちを理解できないなんてことは全くありません。
どんな分野でもそうですが、一流の世界の人間ほど謙虚なものです。
東大の数学科の講師が言っていました。
「数学が得意と自分で言っている人を東大数学科で見たことがない」と。
「気持ち」がわからないとすればそれは単に人間性の問題で、東大であるかどうかは関係がないということです。当塾の講師は驚くほどに人間的に謙虚ですし、人に対して温かいです。

むしろ、ここで問題となってくるのは「気持ち」ではなく、「思考の歩幅」あるいは「思考の早さ」といったことではないでしょうか?
「思考の歩幅」とは例えば、「A=Bで、B=Cだから、A=C」みたいな話をするときに、理解力のある人であれば、「A=C」の説明でいきなりわかってしまうということ。こういう生徒であれば、Bを省いて教えてもちゃんと解法を理解できますね。
「思考の速さ」とは、A=Bを理解する早さです。この人、話が早すぎてついていけない!みたいなことは、日常の会話でも経験される方は多いかと思います。
しかし、私は思うのですが、「A=C」と説明を行ってみて目の前の生徒が理解していない(問題が解けていない)事実を見て、「A=Bが理解できていないからだ!」と気付けない人間というのは、それは学力が高いことが原因なのでしょうか?
あるいは、目の前の相手を置き去りにして自分のペースで話し続ける人間は、学力の高低に関係なくどこにでもいませんか?
つまり、こうした事は学力ではなくコミュニケーション能力、指導者としての責任感の問題ということです。

もしくはこういう事かもしれません。
勉強が苦手だった講師のAさんは、なぜ「A=B」になるのかについて自分が中学生の頃に悩んだ経験がある。
そのA講師が、授業準備の段階で「A=B」と書いてある問題を見て、「これは自分も苦労した、生徒も苦労するに違いない」と直感的に気付く。それが生徒の気持ちがわかるということだ、と。
そのように苦労したことがなければ生徒が躓くポイントを見過ごしてしまうのではないか、というわけです。
これは先の二つと比較して非常に納得感の高い疑問です。
ここで良い先生とはどういう講師というお話をさせていただかないといけないのですが、良い講師は自分の経験ではなく、生徒指導の経験を元に重点的に解説すべき箇所を決めています。 別の言葉で言えば、「自分の経験が他人に当てはまるとは限らない」という当たり前の前提をしっかり理解できている人が良い講師ということです。
自分はたまたま中学校のときにわかりやすい先生に習っていたかもしれないし、あるいは体調を崩していたときにその単元を習ったのかもしれない。自分の経験というのは「ひとつ」しか事例がありませんから、それを判断基準にしてどこに解説を重点的にするかを決めている講師がいるとしたら、逆にキケンすぎます。
そもそも、どこの単元に重点的に時間を使うのか、といったようなことは講師ではなくて塾が決めています。
したがって、この疑問も私としては特に問題にはなりません。

色々な観点から書かせていただきましたが、結論、「成績が良かったから勉強が苦手な子の気持ちがわからない」という点に関してはご心配いただかなくて大丈夫です、ということです。
塾選びはやはり実際に見てみないとわからないことが多いですし、先入観で何かを判断されるよりは体験授業や体験講習会で、試してみていただくことをお勧めしています。