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Vol.017 勉強する意味なんてわからなくていい
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Vol.017 勉強する意味なんてわからなくていい


2017年08月09日更新


「なんでこんな勉強しなくちゃいけないの?化学記号なんて社会に出てから使わないし。」

多かれ少なかれ誰でもそのように思ったことがあるでしょうし、世の中の多くの大人が子どものそのような素朴な疑問に向き合ってこられたことと思います。
小中学生にとって、勉強は最初に乗り越えなければならないつらい経験。
「なんでこんなことをしなきゃなんないの?」と思うのは、ごくごく自然な疑問と言えます。
「よし、俺の出番がやってきた!」とばかりに、勉強することの意味をこんこんと説教するお父様もいらっしゃることでしょう(なぜか男性に多い気が、笑)。
ある人は、その理由を「学歴社会」に関連して説明するかもしれません。
「大卒と高卒では生涯年収がこんなに違うんだぞ!」といった具合に。
ある人は、その理由を「非認知系スキルの向上」に結びつけて説明するかもしれません。
「理科で学んでいるのは実は化学記号ではない。努力の方法だ!」といった具合に。
しかし、説得の先には残念な結末が待っていたのではないかと思うのです。

この回答にお父様が「出番がやってきた!」とばかりに張り切ってしまう理由は、はっきりしています。
中学生の頃の自分も化学記号を覚える意味がわからなかったからです。
しかし、大人になった今はわかる。
「なんだかんだ言っても勉強はしっかりやった方が人生でメリットが多い」と。
息子の太郎君には同じ失敗をしてもらいたくない。
だから、熱く語るのです。
「過去の自分にはわかっていなかったけど、いまはわかること」
教育本能をこれほど刺激する質問はありません。
昔の私もそうでした。
聞かれもしないのに、それはそれは熱く語っていましたよ、1時間でも2時間でも。
しかし、やはり何も伝わらないままに終わっていたと思います。

伝わらない理由は、二つあります。
一つは、そんなことを知りたいとも思わずに発言している生徒が多いということ。
生徒たちは、理由をつけて、ただ勉強をしたくないだけなのです。
愚痴のようなものなので、「勉強する意味」を真剣に語っても聞くはずがありません。
むしろ、いま一番聞きたくない話なのですから。
もう一つは、今の本人のレベルでは話の内容を理解できないからです。
やればやるほどにその有用性や意味が理解できるのが本物の学びであって、やる前から価値を見積もりできる学びほど、その学びがもたらす価値は低くなります。
経験と学習により、目線が引きあがることで、世界はどこまでも広く深くなります。
目線が引きあがる前の小さな世界で見えている価値などたかが知れています。
残念なことに、「見たこともなく」「知識もない」小さな世界の住人に対して、いくら広い世界の話をしても、経験の浅い脳はその広い世界をイメージすることができません。
ですから、広い世界を知って「勉強した方がいい理由」を一生懸命に語るまでになったお父様も、子どもの頃はやはり同じように「なんでこんなことを!」とか思っていたわけです。

意味がわからないことに意味があるが、学びにおける一つの真理だと私は考えています。
ですから、勉強する意味なんて今はわからなくてもいい。
その質問をしているレベルの人間に、納得のいく答えなんてないから、絶対に。

プラスジムは、最低限のレベルは「しつけ」で教育を行います。
わざわざ意味なんて伝えない。
正しく椅子に座って勉強することや時間を守ることを、半ば強制的に「やらせきる」。
そこから先は、知的好奇心と人間関係で生徒の目線を引き上げます。
みんな自然な知的好奇心が備わっています。あるいは、尊敬している大人、信頼している大人の言う事なら生徒は、意味はわからなくともついてきます。
理由なんて用意せず、自然と机に向かうようにさせるのが、この塾の目指すところです。

それでも「勉強しなければならない理由」を聞いてくる生徒には教えますけどね。
それはそれは張り切って(笑)