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Vol.045 「決断経験」が人を成長させる

Vol.045 「決断経験」が人を成長させる


2018年03月13日更新



先日、(株)サイバーエージェントの人事部門の統括責任者である曽山哲人さんという方のお話を伺う機会がありました。サイバーエージェントと言えば、アメブロやAbemaTVといった時代を象徴するサービスを提供している会社であり、日本で、21世紀を代表するベンチャー企業でもあります。
サイバーエージェントは2018年現在、契約社員やアルバイトを含めると8000名規模の大会社となっています。1998年当時、曽山さんが入社された頃はまだ20名程度しか社員がいなかったそうですから、まさに急成長という言葉がぴったり当てはまる会社です。
曽山さんご自身は、そんな会社の最前線で働き続け、現在は人事のトップとしてご活躍されているということでした。
このような方が、高成長組織の中で活躍できる「圧倒的に優秀な人材の条件」というテーマでお話されたのだから、おもしろくないはずがない。

お話の中で、「決断経験」というキーワードが出てきました。

曽山さんは、ご自身の書籍の中で以下の様に述べられています。

「サイバーエージェントの人材育成で最も大事な考え方は何かと問われれば、決断経験です。研修や勉強会、面談、フィードバックなども人材育成には必要ですが、何よりも大切なのは決断経験だと考えています。」

『強みを活かす』 P156より抜粋   



この「決断経験」を一言で言ってしまえば、「どれだけのことを自分で決めたか」これに尽きます。
そして、決めた結果に対しての「内省」を繰り返す。
中学生や高校生に当てはめて考えてみると、「決断」とは、例えば志望校を決めるような大きなものに限りません。
日常生活の中には何度も主体的に物事を決められる場面があり、「どの教科から勉強するか」や「単語帳を何回勉強するか」「スマホとどう付き合うか」など、すべて「決断」です。
ここからは私自身の考えですが、事前に葛藤や迷いがあればあるほどに、「決断経験」は意味を持つように思います。例えば、志望校について「最も尊敬する塾の先生は西高校を受験しろと言うけど、両親は武蔵野北高校にしろと言う」・・こんな状況は「決断経験」の前材料としては最高です。
ですから、悩んでいる生徒や講師がいたら、もっと迷うアドバイスをすることもあります。
片側に傾きかけた天秤の逆側に重りをおいて、再度ゆらゆらさせるイメージです。

AかBか、正解もわからない問いに自分で解を出す。
そして、「誰を信じたか」を含め、その結果を自分自身の人生の問題としてしっかりと受け止める。

これを繰り返すことで、自分の決断に迷いが減り「自信」がついてきます。
「自信」のある言葉は「人を動かす」力になります。
「決断経験」が「自信」を深め、それが「人を動かす」言葉の力を強めるという理屈です。
そのため「決断力=物事を決められる力」というのはリーダーにとって必須の資質と言えるでしょう。
塾選びに、受験校や教材選びまで、何でも親がやってしまう方がいらっしゃいますが、「決断力を養成する」という観点からは、まったく望ましくありません。
それをすると、どこか頼りない大人に育ってしまうということです。