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Vol.076 お母さんの思うつぼで嫌だ

Vol.076 お母さんの思うつぼで嫌だ


2018年10月30日更新



10月28日は高校受験の保護者説明会でした。
お忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。
ご参加いただいた皆様にはこの場を借りて、あらためて感謝申し上げます。

10月28日保護者説明会

保護者会でいつもお伝えするのは、「勉強しなさい」と言わないでくださいということです。
事例として、生徒の以下のような発言をご紹介させていただきました。

「自分としては塾と学校で勉強して、家では勉強しないことにしている。部活も続いているが自分なりに勉強はしている。おうちでお母さんに勉強しなさいって言われるのが嫌すぎてストレス。以前の塾でも、塾の先生にお母さんが話をしたことがあって、その時は塾の先生からもかなり怒られた。今回も塾に相談したからねといわれてかなりしんどい。」
「しかし、お母さんが塾に相談した結果、自分の行動が変わったというのは、お母さんの思うつぼで嫌だ。」

同じような愚痴は全国各地の学習塾で連日のように繰り返されているものと思われます。
おそらく保護者様が想像される以上に、生徒たちは不満をためこんでいます。
このとき、塾の先生がお母様を子どもと一緒になって批判をすることはありません。
先生が話の聴き役になって、お母様との信頼関係の修復に努めます。
しかし、受験生にとってこうした時間ははっきり言ってしまえば塾の時間の無駄遣いです。
それがわかっていても講師の立場としては、こうした精神状態で勉強と向き合わせることはできないので、話を聴かなければなりません。

このようなことが多い生徒は成績も安定しません。
点数にムラがあり、良いときと悪いときの差が極端だったりします。
なぜかと言うと、生活に「安心」がないために気を休めることができないからです。
成績が返却される度に、「家の中での具体的な行動をひとつひとつ取り上げ、点数を取れなかった理由にされて叱られる」では、気持ちの落ちつく間もありません。常にお母様の目が光っていると思えば、目の届かないところに逃げようとしますし、隠し事も増えます。
たいていの親は「子どもが具体的に何の隠し事をしているか」は証拠不十分でわからなくても、「なにか隠している」ということには気づきますから、こうなるとさらに管理を強めようとします。
さらに細かいことにまで口出しされるようになり・・と、悪循環が発生します。
こうしたことが子どもの精神状態を悪い方へどんどん追い込んでいきます。
精神的に安定している子と不安定な子で、どちらがパフォーマンスが良くなるのかについて、あらためてここで述べるまでもないかと思います。
読解問題が読めない、計算ミスを頻発する、英語長文を読めない、最後の方で疲れてしまう・・
模試の中では、こうした症状としてあらわれることが多いです。

さらには、先の発言にあるように「お母さんから言われた通りに勉強をしてしまえば、これから先もどんどん要求を飲み続けなければならなくなるかもしれない・・(私の人生なのに)」といった思春期特有の心理もあります。
先生や友人は自分で選ぶことが出来ても、親は自分で選ぶことができません。
「親の言うなりになる人生」というのは、すなわち、主体性を完全に失った人生であるということです。
だから、「親からの自立」が思春期の少年少女にとって最も重要なテーマなのです。
「お母さんの思うつぼで嫌だ」というのは、むしろ健全に成長している証拠だと思ってください。

いま接している彼(彼女)は、小学校までの自分の子どもとは違う。
ぜひとも、そうした認識で向き合っていただきたいと願っています。