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Vol.101 自信があれば何でもできる

Vol.101 自信があれば何でもできる


2019年04月23日投稿
2019年04月23日更新



「元気があれば何でもできる!」はアントニオ猪木さんの名言です。
病弱で何かと体調を崩すことが多かった私はその言葉を何かで耳にするたびに、「どうやったら元気なれんの?」と心の中で突っ込みを入れていたものでした。
あんなに強くて体格に恵まれた方にそう言われても、あまり共感できなかったんですよね。
しかし、元気かどうかというのは体調の問題だけではないと後に考えるようになりました。

元気かどうかは、本人の「自信」の状態の問題です。
ここで述べたい「自信」とは「数学は誰にも負けない」とかそういう感情ではありません。
自分のことを大切に思う気持ち、自己肯定感といった類のもので、正確には「自尊心」とあらわされます。
この「自尊心」を英訳すると、「Self-esteem(セルフエスティーム)」となります。
「自尊心」は日本語だと「Pride(プライド)」と解釈されてしまうことが多く、どちらかと言うとネガティブな響きを持った言葉として捉えられることが多いように思います。「Pride(プライド)」という単語にはどこか他者との比較のニュアンスが含まれますが、「Self-esteem(セルフエスティーム)」にそれはありません。あくまでも「自分が自分をどう認識しているか」の問題です。
ですので、正確には「自尊心(Self-esteem)」という言葉を使いたいのですが、「自尊心(Pride)」と伝わってしまうと全く異なる意味になってしまうので、シンプルに「自信」と表現しています。

人はどんなときに元気がなくなるのでしょうか?
あまりに多忙で、全く休めていないとき?
それは違います。
忙しくても元気な人はいくらでもいます。
成績があまり良くなくて、他人から全く評価されないとき?
それも違います。
テストの点数の良し悪しと生徒の元気の良さにそこまでの相関はありません。
病気でベッドの上にいるとき?
体力的な意味ではそうだと思いますが、重い病気でも信じられないような気力を発揮されている方はたくさんいらっしゃいます。
末期がんにも関わらず、懸命に最後まで生きられた方もたくさんいらっしゃいますよね。
私にはそこまでの強さはないような気がしますし偉そうなことは言えませんが、病気だから必ず元気がなくなるかと言えば、きっとそういうことでもないと思うのです。

人が最も元気がなくなるのは、自らが自らの存在意義に対して確信を持てなくなったときです。
逆に言えば、自らの存在意義を強く信じている限り、人はどこまでもがんばることができます。
スタッフには「代替不可能な人になれ、ポジションを獲れ」という話をよくします。
なぜなら、そうなることで社会や会社や他の誰かが自分を必要としてくれるようになるからです。
「自分じゃなくてもできる」と自分の存在意義を疑い始めたとき、仕事は途端に苦しくなります。

生徒は仕事をしているわけではありません。
勉強は自分のためのものですから「誰かから必要とされる」ことはありません。
そのため、常日頃から「自信(=元気)」を失う脅威にさらされていると言えるでしょう。
そういう前提が頭に入っていると、声かけの仕方も変わってきます。
例えば、ほめ言葉には「I(アイ)・メッセージ」「YOU(ユー)・メッセージ」の二種類あります。
「Iメッセージ」は、「あなたの成績が伸びて私は嬉しい」、
「YOUメッセージ」は、「あなたは勉強を頑張って偉い」、
というように使います。
誰かの言葉で誰かのやる気に火がつくとき、ほとんどが「Iメッセージ」の構造になっています。
やる気を引き出す教師は、この「Iメッセージ」の使い方が抜群に上手い。
生徒は別にその教師のために頑張っているわけではないのですが、この言葉を聞いてやる気になるのは、自分の存在意義が満たされる、つまり「自信」を持てるようになるからです。

親や教師のような成長支援者には、「自信」はがんばるための燃料のようなものだと理解し、それが枯渇しないように本人を温かく見守る姿勢が求められます。

参考記事:Vol.043 信じるものは救われる