「平成29年度」都立高校入試200字作文 考え方と模範解答例
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「平成29年度」都立高校入試200字作文 考え方と模範解答例



2018年01月26日投稿
2020年07月25日更新


このページでは、『平成29年度』の東京都立高校入試における200字作文をあつかいます。

200字作文のポイントや書き方などは、こちらを参考ください。

「平成25年度」模範解答例
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出典と問題の問われ方

〇出典:原田信男「日本人はなにを食べてきたか」

〇問い:国語の授業でこの文章を読んだ後、「食生活と歴史」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。

〇配点:10点


作者の主張と構成のポイント

筆者の主張:
これまでの歴史研究では、食生活に関する問題が本格的に取り上げられることは、ほとんどなかった。日常生活に関する史料が非常に残りにくく歴史学では扱いきれないこと、研究者自身が日常生活の歴史を研究することの意義を十分に自覚してこなかったこと、があげられる。(第1段落)

人間の生活の基本は食生活にあり、これが欠けると生命が維持できない。(第8段落)

歴史とは過去の人間の活動の総体であることから、その基礎となる食糧の確保と分配とが、大きく社会を規定したはずで、食生活が歴史に占めた位置は非常に重要であった(第9段落)

生産に共同体や国家の意思が動き、実際に権力が関与するからこそ、生産条件が確保され生産力の向上が期待されたのである。(第10段落)

歴史学としては、従来の食物史の成果に学んだうえで、食料の生産や配分の問題までも視野に入れる必要がある。食生活が、歴史の展開にどのような役割を果たしたのか、また政治・経済や文化・宗教のあり方が、逆に食生活にどのような影響を与えたのか、を具体的に追及することが重要な課題となる(第11段落)

社会に適合した食料生産の技術は、間違いなく文化の一部であり、どのように食べるか、という調理の技術や食事の方法も、同様に価値観の基礎を形成している。多少の地域的な類似性はあっても、どの国々にも固有の食文化が存在するはずである。(第15段落)

調理の技術ばかりでなく、手や箸や匙といった食べるための道具や方法、さらには食にまつわる儀式や作法も重要な問題となろう。(第16段落)

饗宴や儀式などの場で、歴史的に行われる供食の意味を問うことによって、その背後にある社会関係を探ることも可能になる。その民族の食生活のあり方が、歴史には直接的にも間接的にも反映されており、食生活史の研究は、それぞれの国の社会構造や歴史的特質を明らかにしうる可能性を秘めている。(第18段落)

問いの「食生活と歴史」を踏まえてまとめると、
「人間の基本は食生活にあり、地域の気候や政治状況によって調理技術や食事の方法も異なる。さらに道具や方法・儀式や作法まですべてがそれぞれの国の社会構造や歴史的特質を反映している」

日本固有の食文化を踏まえた、自分の体験や経験に結びつけて考えていこう。

伝統的な食生活として、すぐに思いつくのはおせち料理などの和食でしょうか?また四季折々の郷土料理など地元の食を取り上げてもいいかもしれません。
段落を二つに分けて、自分の体験と主張を書くといいでしょう。


模範解答例

h29_writing

採点基準

絶対に10点を取るための都立高校入試「国語200字作文」の書き方講座にも書きましたが、以下に採点基準を付けておきます。〇付けの基準にしてください。

<採点項目>
・自分の意見、主張がある。(+4点)
・筆者の主張を踏まえている。(+3点)
・具体的な体験や見聞がある。(+3点)

<減点項目>
・本文の抜き出しや要約になっている。(-10点)
・論旨に一貫性がない。(-2点)
・句読点の誤り、誤字、脱字、衍字(語句の中に間違って入った不要の字)が1つある。(-1点)
・句読点の誤り、誤字、脱字、衍字が2つ以上ある。(-2点)
・最後の一文が途中で終わっている。(-1点)
・101字以上150字以内である。(-2点)
・100字以内または201字以上である。(-10点)
・不適切な箇所が1つある。(-1点)
・不適切な箇所が2つ以上ある。(-2点)



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