
Vol.006 都立推薦入試は受験させるべきか?
2024年08月20日更新
高校受験生の面談をしているとよく聞かれることがあります。
それは「都立高校の推薦入試は受験させるべきでしょうか?」という質問です。
せっかくの受験機会ですので、受験しないのももったいない気がしますし、受験したところで合格しない気もする・・・判断の難しいところだと思います。
ここではある三鷹市立第三中学校3年生のお話をさせていただきます(※)。
(※プライパシー保護のため、名前や学校名は変えていますが、それ以外は実話です)
義則くんに、「第一志望の武蔵野北高校の推薦入試は受験する?」と聞いてみたところ、即答で「受験しない」という答えが返ってきました。お母様も完全に同意されています。成績を見る限りでは充分に合格は狙えそうなので、不思議に思った私は「なんで?」と聞いてみました。
そうすると、「兄が後悔している」という回答。
義則くんの兄はやはり同じように優秀で2年前に小金井北高校を推薦で合格されたのですが、そのことを大変後悔されているということなのです。
受験時、都立Vもぎでは余裕のS判定だったということですが、あと一か月の受験勉強をしなかったために、入学時の学力で周囲の生徒にかなり追いつかれてしまっていたと。そのことを未だに後悔している様子を見る、とおっしゃられるのですね。受験生のときにせっかく良い環境で勉強出来ていたのだから、そのまま勉強しておけば良かったということです。
推薦入試で合格基準に達している方に、ここで一つの判断基準を提案させていただきます。
義則くんのように、そのまま受験すると推薦入試で合格するかもしれないな・・という生徒さんの場合は現在の学習環境を基に受験するかしないかを決めてみてはいかがでしょうか?
例えば、学習塾に通われていて、先生や仲間に恵まれていて本人も勉強を頑張っているのなら、いまは潜在学力を引き出す滅多にないお得な時期です。その貴重な1か月を失くしてしまうなんてもったいない、と考えることができます。
どうせ高校に入学してからも勉強はあるのですから、目の前の「頑張らなければならない理由」を利用して頑張ってしまった方がラクかもしれないですよね?
差しせまった危機がないと人間はなかなか動けないものですから。