Vol.089 親からこの言葉が出てくる子の受験はきっとうまくいく

Vol.089 親からこの言葉が出てくる子の受験はきっとうまくいく



2019年01月29日投稿
2020年07月14日更新



先日、受験生の保護者様からいただいたメールの中に以下の言葉がありました。

「今の頑張りは結果に関係なく本当に良い経験になると思います。」

受験直前のこの時期、自然にこうした言葉が出てくるのであれば、受験生の親として理想的な接し方を子どもに対して出来ていると断言できます。
合格を強く願いながらも「合格、不合格どちらの結果も受け入れる」覚悟ができているという、悟りを開いたような心の境地です。

子どもの成功を望まない親はいません。
しかし、その成功の基準が「受験生を上手く導ける親」と「上手く導けない親」は違います。
上手く導ける親は「成長」面に期待をし、そうでない親は合格のような「成果」に期待をします。
私は受験生の保護者様向けの説明会で「受験校の押しつけをしないでください」という話をよく行います。学校見学を子どもと一緒にまわっているうちに、親御さんの方がその学校への思い入れが強くなってしまい、「子どもをこの学校に入学させたい」という意向が非常に強くなってしまわれるケースが散見されます。
意向があること自体は悪いことではないのですが、そのことがもたらす弊害があります。
子どもの受験結果に対して不安が大きくなること、です。
自分に意向があるから、子どもの受験結果が心配になってしまうのです。
これは「合格、不合格どちらでもいい」とは全く逆の精神状態です。
強い意向があると、子どもの受験の行方が気になって気になって仕方がなくなり、言わないほうがいいと心の中では思いながらもついつい模試結果や受験校に口出しをしてしまうことになります。
つい、「やればできる」という「成果を期待するNGワード」が出てしまうことも。

Vol.022 「やればできる」を言うと子どもがダメになる

受験に限らず、未来のことに「絶対」はありません。
プラスジムにはいらっしゃいませんが、塾関係者とお話すると「今の成績で、うちの子は合格しますか?」と母親に問いつめられることは多いようです。
しかし、未来のことですから、どうなるかはわかりません。
私たちは、その過剰な不安が子どもにとっての精神的負担になることを知っています。
そのため、「絶対、大丈夫です。安心してください」とお伝えすることになる塾の先生も多いと思いますが、本当はそんな根拠のないことは言いたくないはずです。
生徒が身の丈を越えて成長しようと必死で頑張っていればいるほどに、その受験はチャレンジの性質を帯びており、「絶対合格」など言えるような状態にはなっていません。
受験生はみんなそれぞれ必死であること、受験は甘くないこと。
そんな不安と戦って手にした「自信」だけが本物であること。
経験豊富な塾の先生であれば、誰でも知っています。

わが子のことを思えばこそ、不安になります。
自分の受験は経験があっても、子どもの受験に関してはすべての親が初心者です。
ですから、不安に思うのは、恥ずかしいことも珍しいことでもありません。
ごく当然のことです。
しかし、その不安をこの時期の受験生に伝えてしまうのは百害あって一利なしです。
自らを客観視し、もっと大切なことに目を向けることで不安は静まります。
「不安が強い」と自覚される親御さんは、ぜひ自らを省みつつ、来たる受験日に備えてください。
親が「どうなっても大丈夫!」と、どっしり構えている子の受験は結果に関わらず成功します。


この記事をシェアする