Vol.297 冬があるから春が来る
2023年02月21日更新
2023年2月21日(火)、都立高校の入試日です。
週末には国公立大学の前期日程試験も控えています。
今年は「都立受験コース」の修了生が、東大京大にそれぞれ1名ずつ挑戦します。
旧帝大や東工大、一橋大といった国公立難関大学に挑戦する生徒はこれまでもいましたが、東大京大の挑戦者はかなりひさしぶりです。今年度の大学受験は好調で、これまでのところ、ほとんどの生徒が希望する大学への進学を決めています。薬学系など、自分の将来の夢に繋がる進路を手にしている生徒が多いのも今年の特徴です。
そうした合格は私にとって特に嬉しいものです。
合格しなければ、その先が拓けない道なので。
しかし、このようなケースは例外です。
大半の生徒が長くて苦しかった受験生生活を終えようとしています。
桜咲く時期に合わせて、合格は春に形容されますが、そもそも冬がなければ春は来ません。
寒くて厳しい季節を何とか耐えた先に待つ合格の報せ。
それはもちろん嬉しいものですが、それだけがすべてではありません。
厳しい時間を乗り越えた人には、必ずや何かしらの春が訪れます。
それは、進学先の高校でこれまでに経験したことのないような成績評価をもらえた瞬間かもしれない、大学受験で第一志望校へのリベンジ合格を果たした瞬間かもしれない、就職活動で企業の人事担当者に粘り強さを評価された瞬間かもしれない、自分の中に弱者に対する自然な優しさが備わっていることを自覚した瞬間かもしれない、それがどんな場面かは今すぐにはわからないかもしれないけど、その日はいつか必ずやってきます。
だから、受験生のみなさん。
「高い目標に向けて、これまで必死に努力してきた」という自負があるのであれば、それが最上だし、その努力は結果によって失われるようなものでもありません。
ほんとによくがんばった!とまずは自分をたくさんほめてあげて欲しいです。
あるいは、あと一歩の努力ができなかった不甲斐ない自分に失望している人もいるかもしれない。
でも、自分への失望があるのは、高いところを目指そうとした自分がいた証拠です。
そのような自分を、まずはきちんと認めてほめてあげて欲しい。
決して、「自分にはそんな資格はなかった」なんて思わないように。
反省している自分がいるのなら、いつかその高い目標を叶える自分も必ずいるから。
これは科学的に証明されていることでもあるのです。
厳しい冬に地中で育てた種がどのように花開くのかはわからない。
でも、どんな受験生にもいつか必ず春はやってくる。
いつも、そう信じて最後まで応援しています。