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Vol.038 家にいる大学生の息子と一緒に考えないでいただきたいという話

Vol.038 家にいる大学生の息子と一緒に考えないでいただきたいという話


2018年01月23日更新


たまにですが、塾にお問合せをいただく保護者様から「講師は大学生の方ですか?」というご質問をいただくことがあります。大学生ではない講師もいますが、大半が大学生なので正直に「はい」とお答えすると、そうすると「うちにも大学生の息子がいますが・・」といった具合に、さらに不安になられる方もいらっしゃいます。
今日はそんな大学生講師について、私の考えを述べてみたいと思います。

少し古いデータですが、2015年に厚生労働省が大学生のアルバイトの実態調査データを公表したことがあります。

■厚生労働省 「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000103577.html

大学生のアルバイト先を上位から並べると、比率は以下のようになります。

◆大学生がアルバイトで経験した業種(※)
1位:コンビニエンスストア 15.5%
2位:個別指導塾 14.5%
3位:スーパーマーケット 11.4%
(※質問は経験の有無を聞いており、回答は3つまでの選択式)

ちなみに、飲食店に関しては、「居酒屋」「カフェ」のように項目が細分化されており、全体を合計すると51.8%という圧倒的な数字になります。大学生の2人に1人は飲食店でのアルバイトを経験しているという計算になります。
ここで注目したいのは個別指導塾の14.5%という数字。
大学生の約7人に1人が個別指導塾でのアルバイト経験があるということです。
日本の大学生の人数をざっくり250万人と仮定すると、約35万人が個別指導塾でのアルバイトを経験していることになります。
数字が続いて恐縮ですが、あと一つデータを引用させてください。
経済産業省にあるデータを活用することで、全国のおおよその個別指導塾の事業所数を調べることができます。事業所の定義は厳密には教室数とは異なりますが、ここでは同じものとして考えてみます。

■経済産業省 「特定サービス産業実態調査H27」
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabizi/result-2/h27.html

平成27年のデータですが、全国の個別指導塾は約26,000教室となっています。
先程の個別指導塾アルバイト経験のある大学生数35万人を、この教室数で割ってみると個別指導塾1教室当たり換算で約13人の大学生がアルバイトを経験していたことになります。
これらのデータが表していることは、個別指導塾で大学生が働いていることはごく自然なことであり、その是非をあらためて問うような次元の話でもないということです。
しかし、講師が大学生であるということに関して不安を抱かれる保護者様がいらっしゃるのもまた事実。それもそのはずで、いまの中学生や高校生の保護者様がまだ受験生だった時代、学習塾というのは集団指導が主であり、その指導の中心にいたのは社会人のプロ講師でした。
業界人からしてみると、今の時代に学習塾で大学生が働いていることに違和感はありませんが、保護者様の視点から見ると「本当に大丈夫なのか」となってしまうわけです。
そして冒頭に述べたように、通塾をご検討いただいている保護者様に大学生のご子息・ご息女がいらっしゃった場合には、その姿を想像できるだけに、さらに不安が増大してしまわれるようです。
しかし、私はその比較には全く意味がないと思っています。
大学生のご子息を仮に祐介君としましょう。
ご両親が家で接している祐介君は、社会で他人と関わる「公」の祐介君ではありません。
大抵の人間は「学び」によって、公私の分別がついてきます。
「私」的な願望のまま振る舞っていたのでは、社会生活に支障が出る場合が多いからです。
そのため、たくさん学んでいる人ほど、外(公)の顔と家(私)の顔は別人のように変わってきます。
立派なお仕事をしているお父さんも自宅に帰れば、ただのおじさんになってしまうことが多いのとまったく同じ話です。

大学生にもなれば仕事をするための基礎能力は社会人と大差ありません。
多くの場合、外に出れば、周囲から信頼され頼られる立派な青年となっていることでしょう。
個別指導プラスジムでは、「大学生に頼らざるを得ないから」大学生に仕事をお願いしているわけではなく、むしろ積極的に大学生の登用を進めています。生徒の価値観を理解するという点で、中高年者よりも圧倒的に有利ですし、受験学力が経年劣化していないため、質問への反応も早い。
何よりも人生に対して夢とやる気があることが、生徒たちの模範という意味で理想的です。
塾講師は「若いこと」が武器になる仕事なのです。
「経験が少ない」という理由で、このように優秀な人間に機会を与えないのはもったいない。
少なくとも、「経験はあるけれど」人生に夢も希望も失ってしまった人間よりは、はるかに良い影響を中学生や高校生に与えてくれます。

プラスジムの講師もそうですし、親が知らないだけで、きっと祐介君も。
社会人に負けない仕事をする大学生は世の中にたくさん存在します。