Vol.061 逆境と順境
2020年07月14日更新
人生山あり谷あり。
良い日もあれば、悪い日もあります。
人生の中では自分でも驚くほどに色々なことが上手くいく時期があります。そうかと思えば何をやっても空回り、がんばっても、がんばっても何の成果の出ない(ようにみえる)時期もあります。
「自己成長」という観点から見れば、順境は「スキル」を育てる時期であり、逆境は「人間性」を育てる時期であると考えています。
「スキル」とは例えば、英語力が高まるとか偏差値が伸びるとか、サッカーが上手くなるとかピアノの演奏が上手くなるといったように、一般的に練習や鍛錬を通じて伸びる能力のことです。
「人間性」とは言葉の定義が難しいですが、人間的な包容力や他者への共感力、自己の内面を深く理解する力やストレス耐性といったようなものも含んでいます。
若くして大きな「逆境」に直面し、非行や不登校、引きこもりにリストカット・・様々な状況下で自己の内面と必死に戦っている十代の少年少女がいます。
そうした思春期の少年少女に対して、「いつか良いことがあるからがんばれ」と気楽なことは言えませんが、一つだけ言えることはある。
その「逆境」の日々は、あなたの人生を損なっているように見えるかもしれませんが、「人間性」の成長という意味では決して毎日が無駄に消耗されているわけではありません。
不登校で布団の中にいても、その状況と自分なりに格闘している限りは成長しているのです。
「悩んでいること」に価値があり、それが将来誰かの役に立つ日が必ずやってきます。
逆に考えてみましょう。
順風満帆に「スキル(ここでは学力)」の成長を積み重ねた、「学歴だけ立派な人」がいたとします。
この人はどんな人でしょうか?
勝手なイメージですが、この人はこんな感じです。
包容力がなく、言葉も軽くて、自分勝手で、肝心なときに頼りにならない。
なぜこうなるのかと言うと、このような人間性はすべて「逆境」の中で育まれるものだからです。
特に、劣等感と向き合った経験などは、人間性の成長という観点から見れば最上の体験と言えるでしょう。
このような考えを持っているのは私だけではないと思います。
私だけではないどころか、「頭が良いだけではダメだ」というのは、それなりに人生経験を積んできた大人であれば誰でも思っていることなのではないかと。
だからこそ逆に、以下のような偏見が気になります。
「成績が良かった人って勉強苦手な子の気持ちがわからないのではないですか?」
実際、このようにご心配いただくことが起ち上げ初期のプラスジムではとても多かった。
これについては過去にブログ記事にさせていただいたこともありますが(Vol.003 成績が良かった人って勉強苦手な子の気持ちがわからないのではないですか?)、最近ようやくそうした偏見がなくなってきたところです。
「学歴だけ立派な人」は例外なく「逆境経験のない人」ですが、「逆境経験をたくさん積んでいて、学歴も立派な人」だってたくさんいるのです。
個別指導プラスジムが採用で重んじているのは、「学歴」以上に「人間性」です。
この塾は、2013年に東大生の経営者と東大の学生アルバイトによって起ち上がった学習塾です。
そこから紹介、紹介で講師が増えていきましたから、たしかに現在も講師の多くは東大生です。
一般的な基準では「学歴が立派な人」が集まった塾だとは思います。
しかし、開業当初から我々が一貫して講師に求め続けてきたのは「人間性」。
これからの通塾をご検討されている方には強く主張させていただきたい点です。