Vol.106 勉強しなさいではダメな理由
2020年07月14日更新
説明会ではいつもお話させていただきますし、こちらのブログでも何度か書かせていただいていますが、私は中学生以上のお子様に対してご両親が「勉強しなさい」と言うことは「百害あって、、、」だと思っています。
「一利なし」と言い切れないのは、それが意味を持つ場面も本当に稀にですが、あるからです。
しかし、99%の場面においては、効果がありません。
効果ないばかりか、悪影響の方がはるかに大きいので「言わないでください」とお伝えしています。
プラスジムの高校受験生に関しては全く不要です。
勉強に向かわせるために必要な言葉はすべて塾でかけていますので。
子どもに、そういう環境があるのであれば「一利なし」と断言できます。
「自立」という観点から、「勉強しなさい」がダメな理由を書いたのが、以下の記事です。
思春期の子どもにとって、自立の対象である「親」と、社会との接点である「先生」は役割が異なります。
私たち教師が生徒に「勉強しなさい」と言うのと(こんな風には言いませんが)、ご両親が「勉強しなさい」と言うのは意味が違うのです。
子どもの立場からすると最悪の場合、「先生」であれば人間的な関わりを放棄することも選べますが、「親」に対してそれはできません。
仮にそれをできたとしても、本人の心には何らかの傷が残るでしょう。
つまり、親子の間柄とは自分の意志によってコントロールできない関係性なのです。
そのように絶対的な存在である「親」が、本人に「させるべきでないこと」を強制させていたとしたら子どもに逃げ場はどこにもありません。
強制に対しての抵抗は、この時期の子どもたちにとってはごく自然なことなのです。
いよいよ精神的な自立が始まったのだなと、温かく見守ってあげてください。
単純に勉強時間だけで考えても、この時期の「勉強しなさい」はほぼ無意味です。
仮に、「勉強しなさい」が多少の効果を発動して、そのことによって子どもが勉強したとします。
そうやって親の強制力によって、いったいどれだけの勉強時間を増やすことができるでしょうか?
プラスジムの高校受験生の夏休みの平均学習時間は優に8時間を超えます。
学習時間が多い生徒であれば10時間を超えることもあります。
「勉強しなさい」と言うことによって仮に勉強時間を増やせたとしても、その効果はせいぜい数十分程度でしょう、しかも勉強に向かう姿勢は嫌々。
こんな数十分の勉強がその子の成績向上に何らかの効果をもたらすでしょうか。
中学生から先、成績を伸ばすために必要な勉強時間はご両親の「勉強しなさい」でコントロール可能な勉強時間をはるかに超えてしまっています。
子どもとの、あたらしい関わり方を考えなければならないステージになったということなのです。