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Vol.197 良い戦略の条件

Vol.197 良い戦略の条件



2021年03月16日投稿
2021年03月16日更新



近年は少し落ち着いてきた印象もありますが、東大生京大生の人気就職先の一つに挙げられることが多いのが、外資系の経営コンサルティング会社です。
特に、高い知能が求められる戦略系は採用も超難関の狭き門。
その代表格の一つに、ボストンコンサルティンググループがあるのですが、そこで日本人第1号コンサルタントとして採用されたのが三枝匡さんという方です。
著名な経営者でもあり、私が尊敬している経営者の一人でもあります。
この方が著作で、「戦略」について以下のようなことをおっしゃっています。

私の経験では、良い戦略は極めて単純明快である。逆に、時間をかけ複雑な説明をしないと理解してもらえない戦略は、だいたい悪い戦略である。悪いという意味は、やっても効果が出ないという意味である。
良い戦略は、お父さんが家に帰って、夕食を食べながら子供に説明しても分かってもらえるくらい、シンプルである。悪い戦略は、歴戦のビジネスマンに一日かけた説明会を開いても、まだもやもやしている。

『戦略プロフェッショナル(日本経済出版社文庫版)』P225より抜粋   


上記は経営戦略の話ですが、受験戦略も同じです。
学習塾として、なにをしたいのかよくわからない受験戦略を組み立てると、まず失敗します。
というよりも、意図を講師や生徒が理解しません。
塾の方針と現場の方針がバラバラになり、色々なところに矛盾が生じてきます。
その戦略が正しいか正しくないかというのは結果論でしか語れないところがあるのですが、「やろうとしていること」と「やっていること」が一貫していないのは明らかな間違いです。
プラスジムの「都立高校受験必勝説明会」にご参加された方であれば、おわかりかと思いますが、「都立受験コース」の戦略は極めて単純明快です。
方針を理解できていなかったりする生徒はいますが、少なくとも受験コース講師陣は「なにをすべきか」を完全に理解しているため、塾の方針と現場の指導がバラバラになることはありません。
ただ、戦略が単純明快=実現がラクで簡単、ではない点には注意が必要です。
むしろ、単純明快な戦略ほど、「なにを捨てるか」がはっきりするため、心理的不安が大きくなる傾向があります。
そこで必要になるのが、「強いリーダーシップ」です。
塾がリーダーシップを発揮する対象は生徒だけではありません。講師はもちろんのこと、場合によっては保護者様に対してもリーダーシップを発揮しなければならない場面があります。結果が出るまでは何の動きもありませんから、みんな不安になります。その間、まわりから色々な意見や情報が入ってくると、決めたはずのことに次第に迷いが生じてきます。
保護者様の例で言うと、「他の塾にも通わせた方が良いのではないか?」とか「もっと別の問題集をやらせた方が良いのではないか?」といったような迷いです。ここで塾側のリーダーシップが弱いと、そちら側に生徒を引っ張られてしまうケースがあります。
こうなるとまず上手くいきません。
成果を出すための勉強時間を分散させてしまうことになるからです。

「良い戦略」の条件は単純明快さですが、単純明快であるがために実行段階で挫折しがちです。
「強いリーダーシップ」の下でこそ、「良い戦略」は大きな成果を挙げることができます。


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