
【模試比較】Vもぎ・Wもぎ・駿台模試・SAPIXの特徴は?偏差値の違いは?
2020年08月22日投稿
以前、を書きました。
今では「Vもぎ」や「Wもぎ」で検索すると公式ページの次に表示されるようになり、たくさんの人に見ていただいている記事となっています。
受験する人数が多い模試は、VもぎとWもぎであることは間違いないのですが、志望する都立高校によっては実は、上記2つの模試以外にも名前が挙がる公開模試があります。
今回は続編として、都立高校受験でよく受けられている模試として、 中3駿台高校受験公開テスト(駿台模試)とサピックスオープン(SAPIX公開模試) を取り上げ、比較していきます。
また、上記4つの模試はどのような差があるのか。
各模試の偏差値の違いについても見ていきます。
(記事更新時点(2025年7月16日)の情報です)
VもぎとWもぎについて
まずは定番のVもぎ、Wもぎについて。
東京都内の高校受験生であれば一度は名前を聞いたことがあるでしょう。都立高校を目指す大半の中学生が、一度はどちらかの模試を受けているはずです。
詳細は、以前書いた記事をお読みください。
駿台模試とSAPIX模試について
● 中3駿台高校受験公開テスト(駿台模試)はさんが実施している会場型模試 になります。
北海道から九州まで全国各地の会場で実施されているテストで、国公私立難関高校を対象とした全国規模の模擬試験としては最大規模とのことです。
一番の特徴はそのテストを受ける受験生の学力。駿台中学部に通っている生徒はもちろん、全国から難関高校合格を目指す生徒が受験しています。
「駿台の偏差値は他の模試より低く出る」と言われていますが、これはテストの母集団がハイレベルな受験生により構成されていることを意味します。全国で難関校を目指す受験生を母集団とする中での学習到達状況や、志望集団内での位置を把握することが可能です。
駿台中学生テストの特長より
●受験料は、インターネットからの申込(個人)だと3科目受験が6,400円(税込)、3科目受験が6,700円(税込)です。
●会場:会場受験と自宅受験の2つの受験方法があります。
●2025年度日程(会場受験)
6月から11月まで、全6回実施されています。
・第1回 :6/8(日)
・第2回 :8/24(日)
・第3回 :9/23(祝火)
・第4回 :10/19(日)
・第5回 :11/24(振月)
● サピックスオープン(SAPIX公開模試)はさんが実施している会場型模試 になります。
主にSAPIX生が受ける模試ですが、個人でも申込をすることができます。
SAPIXの公開模試の特徴として、ハイレベルな学校に合わせたレベル設定が挙げられます。
ウェブページにおいて、 模試レベルの目安が偏差値60以上となっており、受験する生徒も相応の上位高校を目指す生徒が中心 でしょう。
●受験料は、インターネットからの申込(個人)だと5科目または3科目で5,500円(税込)です。
●会場:SAPIX中学部各校舎で実施。
●2025年度日程
5月から定期的に4回行われています。
・第2回 :7/6(日)
・第3回 :9/7(日)
・第4回 :11/3(月・祝)
●望校診断サピックスオープン(SAPIX公開模試)以外にも学校別サピックスオープン(筑駒、早大学院、開成、慶應女子、慶應義塾、都立自校作成)もあります。
VもぎやWもぎと比較して、中3駿台高校受験公開テスト(駿台模試)や志望校診断サピックスオープン(SAPIX公開模試)は駿台やSAPIXに通っている生徒を中心とした、難関高校を目指す高校受験生向けに作られていることがわかりますね。双方ともに私国立の難関高校を目指す生徒が多く通っている塾です。
また問題形式は、一般的な都立入試のようなマークシート方式ではなく 主に記述問題 となっています。
都立難関高校を目指す生徒にオススメな理由
VもぎやWもぎにも都立難関高校(自校作成校(記述形式))向けの模試があり、塾での採用が多い分、塾からの案内で受けている人も多いでしょう。
しかし、都立自校作成校のなかでも特に上位高校を目指す生徒は、同時に駿台模試やサピックスオープンを勧められることもあると思います。
なぜでしょうか。
SAPIXさんのウェブページにわかりやすい解説が載っていましたので紹介します。
受験する生徒の学力レベルがある程度高めに偏っていることから、各高校の偏差値もよりわかりやすく差が付く 、ということですね。一般的な模試で算出される偏差値に比べて、SAPIXの偏差値は10から20程度低く出ます。これは学力の高い層がSAPIXの模試を受験するためです。
一般的な模試では、学力の高い生徒がグラフ右側に偏ってしまい、難関高校の偏差値の差が出にくくなりますが、SAPIXの模試では、母集団自体のレベルが高いことにより、偏差値の差が明確になります
【出典: 】
例えばプラスジムで採用しているVもぎでは、自校作成Vもぎの偏差値判定の母集団は自校作成Vもぎを受けた生徒だけではなく、都立Vもぎを受けた生徒全員となっています。
つまり、算出される偏差値は中3駿台高校受験公開テスト(駿台模試)や志望校診断サピックスオープン(SAPIX公開模試)と比較すると、「学力の高い生徒がグラフ右側に偏ってしまい、難関高校の偏差値の差が出にくく」なっているとも言えます。
実際、Vもぎでは高い判定が出ていた高校が、駿台模試やサピックスオープンでは同じような判定が全く出ない、なんて話も聞くこともあります。
もちろん母集団が多いことによるメリットも多いですし、偏差値はあくまで目安=目標でしかありません。
しかし、日比谷高校や西高校、国立高校、戸山高校などを目指している生徒はVもぎやWもぎではなく、駿台模試やサピックスオープンも受けてもいいかもしれません。
Vもぎ、Wもぎ、駿台、SAPIX、それぞれの偏差値のちがいは?

インターネットで調べると、「○○模試は□□模試より偏差値が正確に出ない」「このサイトの偏差値一覧がもっとも信用できる!」などといった真偽不明の情報がたくさん出てきて混乱してしまいますよね?
実際のところ、目安偏差値は模試によってどれほど差が出ているのでしょうか。
参考になればと、公式情報として得られた各模試会社の出している目安偏差値を比較してみました。
| ケース①日比谷高校 | 偏差値 | 合格可能性 |
| Vもぎ | 69 | 60%ライン |
| Wもぎ | 70 | 60%ライン |
| 駿台 | 59.6 | 60%ライン |
| SAPIX | 56(男)54(女) | 80%ライン |
| ケース②西高校 | 偏差値 | 合格可能性 |
| Vもぎ | 68 | 60%ライン |
| Wもぎ | 67 | 60%ライン |
| 駿台 | 56 | 60%ライン |
| SAPIX | 52(男)52(女) | 80%ライン |
| ケース③駒場高校 | 偏差値 | 合格可能性 |
| Vもぎ | 61 | 60%ライン |
| Wもぎ | 63 | 60%ライン |
| 駿台 | 42.5 | 60%ライン |
| SAPIX | 42(男)42(女) | 80%ライン |
※参照情報
・Vもぎ(進学研究会):(2025.03.15現在)
・Wもぎ(新教育研究協会):(2025.03.15現在)
・駿台模試(駿台中学生テストセンター):(2025.07.15参照)
・サピックスオープン(SAPIX中学部):(2025.07.15参照)
例として、日比谷高校、西高校、駒場高校を取り上げてみましたが、どんな印象を持たれるでしょうか?
- ◆VもぎとWもぎの偏差値はほぼ似たり寄ったり
学校によってVもぎのほうが高かったり、Wもぎのほうが高かったりバラバラですね。どちらも差異はないです。 - ◆駿台模試とSAPIXでも、受験者層が異なり偏差値に差が出ている
ややこしくなってしまったのですが、SAPIXは80%合格基準偏差値表示です。例えば日比谷高校における駿台模試の80%合格基準偏差値は64.4。SAPIXのほうがより全体的に高レベルと言えるでしょう。 - ◆日比谷と西は実は差が大きい
日比谷高校と西高校は地域が異なるだけで、ほぼ同じレベルの高校として認識している方も多いかと思います。実際Vもぎ・Wもぎの偏差値のズレは0~2程度です。しかしSAPIXだと例えば男子の差は4もあります。
こう比較してみると、SAPIXは特に私国立の最難関高校を目指す人が集まっている印象ですね。
都立高校の判定はどちらも出ますが(SAPIXは上位校の判定のみ)、都立高校第一優先で私立高校の一般受験は少し安全なところを、と考えている人は駿台模試のほうが適切と言えるでしょう。
まとめ
今回は、東京都立高校受験生が主に受けることができる4つの公開模擬試験を取り上げました。
色々な見方があるとは思いますが、正しいと言い切れるのは 「同じ模試を継続して受ける」こと でしょう。
4つの模試を交互に受けても偏差値に大きな開きがあり、自分の正しい立ち位置(偏差値推移など)がわかりません。
自分の受けた模試の偏差値と判定を信じて、引き続き勉強に打ち込んでください。

