平成29年度◇都立入試まで70日!今から考えるべき、都立入試の勉強方法『国語』編
2020年07月14日更新
12月に入りました。
東京都立志望のみなさんにとっては、仮内申が発表されて併願優遇ラインに乗ったかどうかで一喜一憂しているところだと思います。
プラスジムにも生徒や保護者様からの電話が一気に増えてきています。
さて、最近よく生徒から受ける質問の一つが
「都立過去問で点数を取るために、なにをやったらいいの?」
という非常にシンプルかつ答えにくい難問です。塾生であればVもぎの結果や今までの指導から「今はこれをやろう!」と即座に伝えられるのですが、なかなか生徒自身でそこまで分析できる生徒は少ないのではないでしょうか?
この記事を読んで、年末に向けて自分自身の苦手な分野、今やるべき科目を把握して、より充実した年末年始を過ごしましょう!
こちらからご覧ください。
1. 平均点推移と全体の構成
2. 大問1、大問2 漢字の読み書き(20点)
3. 大問3 小説文(25点)
4. 大問4 説明文、論説文+200字作文(30点)
5. 大問5 古文(25点)
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1. 平均点推移と全体の構成
平均点推移
- 平成28年度 73.9点
- 平成27年度 65.6点
- 平成26年度 61.6点
- 平成25年度 60.5点
- 平成24年度 69.5点
東京都立高校入試国語です。
国語は毎年変わらず同じで、漢字の読み書き、小説文、説明文、古文、200字作文と、バランスよく全ジャンルから問題が構成されています。
平均点は、毎年60点台で推移していました。しかしマークシート方式が導入された結果、昨年の平成28年度は73.9点と大幅に易化しました。4択が増えたことにより、問題の難易度が作成者が想定した以上に簡単になってしまったのでしょう。
よって、今年は難化することが予想されています。普段国語が得意な生徒でもほかの生徒と差が出にくくなるかもしれません。
他科目の勉強もより一層頑張ってほしいですね。
2. 大問1、大問2 20点
大問1と大問2は、毎年決まって漢字の読み書きが5問ずつ(計20点分)出題されます。
特に大問1の「読み」は大問正答率90.9%です。ほとんどの人が4.5問以上正答しています。大問2の「書き」についても大問正答率72.9点なので大問1、2を合わせると大半の生徒が「8問以上」正答している計算になります。
過去問題集やVもぎで2問以上答えられない問題が毎回ある生徒は、やばい!と思ってください。
漢字の勉強の仕方は、地道ですが漢検3級レベルのテキストを繰り返しやることですね。
特に「書き」は小学校で習う漢字が多く出る傾向がありますので、「書き」のみが苦手な生徒は6~4級を中心に勉強することをお勧めします。
タダゼミさんのブログに過去の漢字の出題が載っていますが、過去と同じ漢字も出題されているようです。とても参考になるので見てもらえればと思います。
3. 大問3 25点
大問3の構成は、平成27年度までは4択問題4問+記述問題1問の計5問(25点)でしたが、平成28年度は4択問題5問(25点)に変わりました。
内容は「小説文」です。
説明文と異なり登場人物や情景の文章として明示されない部分を、読み取る力が求められます。
ただ、生徒との会話の中で「気持ちなんか、わからない!実際どう思っているかなんてわかるわけない!」と言っているのを耳にすることがありますが、問題として成り立っている以上「答えがあいまいになる」ことはありえないんですね。
普段から小説などを好んで読んでいる生徒からしたら簡単に思える問題でも、慣れていない子は難しくとらえてしまいます。大問3を得点源にするには普段から本を読むことが近道なのでしょうが、今からだと時間が足りません。
そこで、①過去問やVもぎに取り組む時・または解き直す時に、感情や心情を表していている部分に線を引いて、表現方法に慣れる工夫をしてみてください。
文章自体はすらすら読めてしまいますが、文章がその分長いので大切なポイントが見過ごされがちです。
過去問を解いているとだいたいわかってきますが「気持ちについて最も近いのは…」「表現について正しいものを…」と毎回同じような問題が出てきますので、問題にアタリを付けやすくなります。
見直す時には、「線部分は、どういった心情なんだろう?」と考えるようにしてください。喜怒哀楽の方向のみでも大丈夫。頭の中で繰り返しておくと、テスト時に判断しやすくなってきます。
そして、②4択を考えるときは、設問のなかのどこがポイント=違いなのかを比較できるように考えると、より選択肢を絞りやすくなります。
例えば、下図の平成27年度(問1)を見ると「気持ち」を答える問題なので、赤色にしているところが文章中にどういう表現になっているかを探せばわかりやすいですね。
4. 大問4 30点
大問4は、昨年度含めて毎年変わらず、4択4問(20点)+200字作文の(10点)の問題構成です。内容は「論説・説明文」です。
大問3は得意でも大問4がなかなか取れない、と悩んでいる生徒も多いと思います。あと70日で説明文ができるようになるトレーニングは2つ、
- 文章を読む前に、問題文を先に読むくせをつける
- 解説を読んだ後、ポイントとなる文章を探して線を引くトレーニングをする
に尽きると思います。
英語にも同じことが言えますが、あらかじめ問題文を読むと、文章中によく似た表現が出てくるとわかりますよね?そこに線を引くなり印をつけるなりしておくと、改めて見たときにわかりやすくなります。
また説明文は、小説と違って問題文中の言葉をつなぎ合わせると、必ず答えが出来上がります。大問4に苦労しているのであれば、どういうところに答えに結びつく文章がよくあるのか、論理的なトレーニングをいろいろしてみてください。
200字作文は、必ず誰かに添削をしてもらってください。
200字作文は慣れれば必ず8点以上は取れる問題です。ただ自分だけで丸付けをすることは難しいですし、改善部分もわからずに、そのままになりがちです。プラスジムでは毎週200字作文の課題を出して、採点⇒講評⇒返却⇒次の課題を繰り返して、「書き方のコツ」を覚えてもらっています。
200字作文が特に時間がかかるようであれば、まずは言いたいことを箇条書きにしましょう。それをつなぎ合わせて骨子を作ります。
その後、200字になるように文章を調整していくとうまくいきます。
5. 大問5 25点
大問5については昨年は、4択5問(25点)でした。古典に関する複数の文章を読み、現代語訳と照らし合わせながら特徴をつかむ問題構成です。ただ古典の形を取っているものの現代語訳もついていますし、古典文法も現代仮名遣いくらいしか聞かれないことが多いです。
よって、都立入試問題としては、大問4と同じように勉強してください。
あえて言うのであれば、昔の難しい表現や固有名詞が出てくるので、他の大問より解くのに時間がかかることが多いです。なるべく大問1~4をスピードよく解きましょう!
まとめ
そろそろ、50分の時間の使い方を考えてもらいたい時期になってきました。
律儀に大問1から順番に解く必要はないですよね?
時間が無くなれば無くなるほど、あせってしまい取れるはずの問題が取れなくなります。
自分の自信がある大問順に、てきぱきと解いていくことをオススメします。
大問正答率を単純に見ると、国語は大問順に解くといいと思います。
200字作文を最後に回す生徒が多いような気がしますが、先ほどの通り、200字作文は得点源にしてほしいです。
よって、後回しにせずに一度書いてみて、うまく言葉が思いつかないようであればまたあとで戻ってきましょう。
ちなみに200字作文は、学校ごとに加点要素・減点要素を決めることになっているので決まった得点基準がありません。