Vol.037 2018年も個別指導プラスジムは校門前には行きません!
2020年07月14日更新
個別指導プラスジムでは、いわゆる「校門前配布」を行ったことが一度もありません。
「校門前配布」、業界用語で「門配(もんぱい)」。
「門配」とは、塾の先生が中学校や高校の校門前に行って、登下校中の生徒達に塾のパンフレットや消しゴム等のノベルティを配布することです。
「どの塾でも行っている」と言っても過言ではないかもしれません。
正直に告白すると、駅前でティッシュ配りをさせていただいたことはあります。
開校2週間くらいの頃でしょうか。
あまりにも生徒さんが集まらなかったときの苦肉の策でした。
しかし、一度きりで止めました。
なぜか?
それが塾の先生のお仕事とはどうしても思えなかったからです。
数年前、久我山駅の南口エスカレーターを降りたところで、カレー屋のチラシを配布しているインド人(?)のコックさんがいらっしゃいました。
毎日のようにいらっしゃったのですが、横を通るたびに心の中でこう叫んでいたものです。
「それより、おいしいインドカレーを作ろうよ!!」と。
20世紀最大の経営学者であるドラッカーは言いました。
「本当に集中すべき最も大切なこと、自分にしかできない仕事は何か?」
それは、仕事をする人間が日々自問自答しなければならない重要な問いだと思いますし、そうではない仕事が続くようであれば、自分の中で何かを変えなければならないときです。
少し話は変わります。
ユニクロの経営者である柳井社長は、著書の中で、以下のようなことをおっしゃられています。
■「仕事の基準を高く持つ」
経営者として成功するために大切なことに、「質に対する意識」があります。
自分たちのやっていることの質に対する意識です。
「商品の質」「サービスの質」「全てのアウトプットの質」、こうしたものの基準を高く持って、経営をするということです。
質の基準というのは、「お客様にとって本当によい」と思えるラインのことです。組織の中で行われるすべての仕事の基準をそのラインに設定し、絶対に妥協しないで追及してほしいということです。毎回、毎日、この高い基準での成果を目指して仕事をして、
毎週、毎月、毎年、この基準をさらにあげていくようにしてほしい、ということです。
経営者として高い目標を実現しようと思ったら、ここのところを絶対に譲ってはいけないということです。
■「お客様は厳しい」
なぜ質の基準にこだわるのでしょうか。
それは、やはり「お客様は厳しい」からです。
自分の身に置き換えて考えてみると、すぐに分かることだと思いますが、お客様というのは、一度あるものを手にしたり、体験をしたら、そこが基準になります。
そして、次からはその基準でものを見ていきます。
さらには、その基準ではものたりなくなってきて、より高い基準のものを求めるようになります。そして、それを満たすものに出合うと、乗り換えていきます。
このようにして、お客様の方の基準がどんどんあがっていくのです。
『経営者になるためのノート』P36、37より抜粋
これを読んだときに絶望的な気持ちになりました。
たしかにその通りなのです。
個別指導プラスジムはこの5年間、本業に集中し、一念に「生徒を成長させる」という難題に取り組んできました。結果的に教室全体としての指導力はかなり上がり、全体の平均でみると5年前よりもさらに生徒の成績は伸びています。
しかし、どういうわけか、年度末に実施させていただいている保護者様アンケート結果は一定の評価からあまり動かないのです。
決して低い評価ではないのかもしれないけれど、いらしていただいた方全員が「大満足!」といった感じでは全くありません。初年度の所感で言えば、これだけの実績が出れば、もっともっと喜んでいただけるはずだったのですが・・。
柳井さんの言葉で、その理由がはっきりとわかりました。
「求められる基準」はどこまでも高まっていくのです。
しかし、読み進めた先に希望がありました。
再び引用させていただきます。
■「本当に高い基準を実現すれば、圧倒的なポジションを作れる」
お客様から見て本当に高い基準で仕事ができると、圧倒的な存在となることができます。
圧倒的というのは、自分たちが作った基準がお客様の常識になって、その基準に達していない他の店や商品に手を出す気が起きなくなるということです。
『経営者になるためのノート』P40より抜粋
これもまたその通りだと実感しています。
アンケートによる評価には変動はないかもしれませんが、現在のプラスジムは定員超えで生徒募集停止、「あふれかえる」という表現がぴったりなくらいの生徒がいます。
個人的な実感として「本当に高い基準」には遠く及ばないのですが、「結果」からみれば個別指導プラスジムに通塾していただく方はこの5年間で数倍になりました。
これは一も二にも、「生徒を成長させる」という自分たちの「やるべきこと」に集中し、そこからぶれなかったからだと信じています。
近年、たくさんの塾が統廃合され、潰れていっています。
今後数年間で、その動きはますます加速化していくことでしょう。
学校教育だけでは不十分な生徒が、今の社会にはたくさんいます。
全国各地にそうした生徒の勉強に関する悩みを解消する優良な塾があれば、日本の教育はもっともっとよくなります。この国における私教育の歴史は諸外国とは比較にならないくらいに深く、私たちの生活や文化に深く根付いています。
しかし、少子化の影響に加え、あまりにも商業主義的な塾が増えたことで、「門配」のように本業と直接的に関係のないことをがんばらなければ生徒を集められない(ように感じる)時代になってしまいました。
そうした業界の未来には非常に強い危機感を持っています。
保護者様のたくさんの感謝のお言葉は私たちに明日がんばる勇気や元気を与え、保護者様の厳しいお言葉は私たちが本当に目指すべき基準、やるべきことを明快に示してくださります。
大きな期待に応えつづけることのできる学習塾になれるよう、今年も「生徒の成長」というど真ん中の課題に愚直に取り組み続けていきます。
2018年も個別指導プラスジムは校門前には行きません!