
Vol.140 あいさつ
2020年02月11日更新
プラスジムに入室していただくと、講師全員が大きな声で「こんにちはー」とあいさつをします。
業界用語で「やまびこあいさつ」と言います。
保護者様にいらしていただいたときも、「よろしくお願いします!」「ありがとうございました!」とみんなが言いますので、驚かれる方もいらっしゃいます。
お気持ちはわかります、どこか不自然なのも承知しています。
サービス業のプロフェッショナルであれば、よく通る声で不自然さを感じさせない洗練されたあいさつをされるものです。こうしたあいさつが出来れば理想的なのでしょうが、塾講師にそこまでの技術を求める必要はないと考えています。
まずは、いらした方に対して、きちんと礼を示す。
不器用であろうと何であろうと、そのことが人としての第一歩であると私は考えます。
基本動作を習得するにあたり、最初に肝心なのは「やる/やらない」を明確にすること。この場面ではやるけど、この場面ではやらなくていい、のような応用は基本ができてからのお話です。
さて、以下もよくあるお話。
先日、久我山大丸ピーコックストアの2階でプラスジムの塾生を目にしました。私の方が先に気づいたのですが、その後、レジに並んでいるとその後ろ並ぼうとしたときに目の前に塾長がいることに気づいたその塾生はそそくさと隠れるようにどこかに消えてしまいました。
「たかが、あいさつ」が照れくさくてできないのが思春期なのもわかります。
ほとんどの塾生は同じような反応をすることでしょう。
しかし、「こんにちは!」とあいさつすることが出来れば、どれだけ人生で得をするかと思います。
少なくともそれだけで相手に良い「印象」が残ります。
実社会の競争は受験と違い(※)、「機会」が平等なわけではありません。
(※受験はスタート地点に立つまでには不平等が存在しますが、試験そのものは機会平等です)
「機会」は人が配分しているため、前提条件の有利不利に相当な差があり、しかもその差は「主観」で決まること多々。
同じ勝負をしているように見えて、内実は全然そうなっていないのです。
お気に入りの若手に成約しやすい案件を優先的にまわしてみたり、辞めさせたい社員を将来性のない部署に配属させてみたり。
大組織で働いている社会人なら誰にでも心当たりのあることだと思います。
あいさつで日頃から周囲の人に好印象を残しておくことは、こういうときに良質な「機会」を自分が手にできる確率を高めます。逆に、しなかった場合の印象は(相手によっては)最悪です。
勉強がんばっても試験で100点が取れるとは限りませんが、あいさつはきちんと意識をすれば全員が満点を取れる分野。
こういうことこそ、大人がきちんと教えてあげるべきことではないでしょうか。
道徳というより、実利的な観点から考えても、こんなに投資対効果の高い教育はないのですから。