Vol.178 目標のある勉強
2020年11月03日更新
受験生の場合、志望校という大きな目標は誰もが最終的に持つことになりますが、模試の偏差値や毎日の学習内容といった細かいことにまで目標を意識できている生徒は少ないものです。
目標というよりも、ただの願望となっているケースが大半。
達成することが前提となっていないので、日々の勉強で目標が意識されることはなく、目標が意識されていないので自分が疲れたらやめる、の自己中心的な勉強を繰り返しています。
あるべき基準に自分を合わせるために目標は存在します。
目標が意識されない限り、自分の枠を超えた成長は望めないと言って良いでしょう。
しかし、この実践的な目標設定が勉強初心者にとっては難題中の難題なのです。
目標には、成果目標と行動目標の2種類があります。
成果目標:次の英語の試験では、80点以上を目指そう
行動目標:次の英語の試験のために、毎日教科書を3回音読しよう
どちらの目標設定する場合においても、肝心なのはそのバーの高さが最適であることです。
高すぎてもダメ、低すぎてもダメ。
本人にとって、がんばればちょうど届くギリギリの一点が、ベストなバーの高さです。
ぴったりその一点を見極めるのは難しいので、最初は2つの目標を立てる方法がおススメです。
WANT目標:これを達成できると理想的という基準
MUST目標:絶対に達成する意識で目指す基準
WANT目標で気をつけなければならないのは、ただの願望であってはならないということです。
願望と目標の違いは「達成の根拠」の有無です。
100点を目指すのであれば、どのようにしてそれを達成するのかという根拠が同時に必要です。
毎日音読100回するのであれば、そのための時間を同時に確保しておく必要があります。
根拠なしに「次は100点!」と叫ぶのはただの願望であって、目標とは言えません。
WANTとMUSTの差は小さければ小さいほどに望ましいです。
目標設定が上手くなってきたら、一つにまとめてしまって構いません。
勉強初心者であれば、まずは最低基準となるMUST目標を設定し、「がんばれたらここまで目指してみようかー」とそこから2割~3割増しのWANT目標を設定してみると良いでしょう。
それも楽々クリアできるようであれば、MUSTの基準を少しずつ引き上げていきます。
「達成/未達成」の記録は、MUST基準でつけるようにし、「目標とは達成するのが当たり前のものだ」という意識を育てていくようにしてください。
最初はこの意識を習慣レベルにまで育てることを徹底することが大事です。
習慣の定義は、それをやらないと気持ちが悪く感じる状態、です。
目標がないと気持ちが悪い、目標達成できないと気持ちが悪い。
そうなれば成績アップは見えたようなものです。
あとは、適切な負荷量(目標)を学校や塾の先生に提示してもらうようにしましょう。