Vol.192 未来の自分への手紙
2021年02月09日更新
「過去に戻れたらと考えるんじゃない。いま、未来から現在に戻ってきたと考えてみるといいよ。」
この時期(あるいは受験後)、自分の過去を悔やみがちな生徒に伝えていた言葉です。
どこで誰から聞いたのかも忘れてしまったのですが、おもしろい考え方だと思ったので、たまに拝借していました。
例えば、高校受験直前期の中学3年生。
「もっと早くから勉強をがんばっておけば・・・」という反省がある。しかし、過去に戻って勉強をやり直すことはできない。そうした生徒に次のように話をしていきます。
「時計の針を3年先へ進めて、いまの目の前の試験が高校受験ではなく、大学受験だと想像してみよう。出題内容は違うけど、入学試験の雰囲気は高校受験とあまり変わらないよ。」
「なんとなくイメージはできた?」
「3年後のその日になんらかの魔法を使って、いまに戻ってきたと考えてみよう。そうすると、3年後の受験なんて絶対に合格できると思わない?だって、これから3年もあるんだからさ。」
受験直前や受験直後であれば、かなりの確率で肯定的な反応が返ってきます。
イメージがしやすいのです。
この先にどんな話をするかは時と場合によって違います。
受験直前期であれば、
「自分の望む未来を実現できるかどうかは結局のところ、想像力の差なんだ。こういう想像力を持てたというだけですでに勉強してきたことの価値はある。これは体験を通じてしか絶対に得られない想像力だからね。受験の合否でこの1年間の努力が報われたり、無駄になったりするものではないから、本番はベストを尽くすことだけを考えて臨もう。」
みたいに話をすることもありますし、状況によって様々です。
ただ、何年も受験指導に関わってきて残念に思うことの一つは、この時期にそうした気持ちを持っていたことを時間が経つと忘れてしまう生徒も多いことです。
そのため、昨年からプラスジムの高校受験生にはあたらしい試みをしています。
受験直後のタイミングで「未来の自分への手紙」を書かせ、それを塾で2年間あずかるのです。
大学受験を意識し始めるタイミングで、その手紙が家に届くという仕掛けです。