Vol.231 逆転合格の可能性があるのはどんな生徒?
2021年11月16日更新
いよいよ本格的に受験校を決めていく時期になりました。
後悔のない選択をしてもらいたいと願うわけですが、基本的には「迷ったらより難しい方を選べ!」の方針を推奨しています。困難であるにも関わらず、どちらにしようかと悩んでいるという場合、心の本音は間違いなく難しい学校にある(※)からです。
※参考記事「困難への挑戦」
よくある話ですが、自分よりも成績が低かった友人がその学校に出願して見事合格。
遊んでばかりいた友人が、記念受験で憧れの高校に補欠合格。
安全策を選んだ本人はそんなとき、どんな気持ちを抱えることになるでしょうか。
本人が選んだ道なら、まだそれも納得できるでしょう。
しかし、それが親や教師に無理やり選択させられた結果だったとしたら・・。
学校や塾の先生は、チャレンジを推奨してくれる人ばかりではありません。
とにかく安全策、不合格にならないことを最優先に進路指導される先生がいます。
合格可能性が充分にある学校でも、先生が「絶対に無理!」と言って出願を全力で引き留めるケースは多いようです。これは本当によくある話です。愛する生徒の悲しい表情を見たくないとか、受験で失敗させたくないとか、その先生なりの考えがそこにはあるのかもしれません。
しかし、厳しい言い方になりますが、本音は先生の自己保身だと思います。
不合格になってトラブルが起きることや、後ろめたい気持ちを抱えることが嫌なのです。
もし、そうした進路指導に直面したら、先生の意見に振り回されることなく、意志を貫いてください。誰のものでもない、本人の人生なのですから。
ただ、先生の自己保身ではなく、本当に合格が絶望的なため、そう言っている場合もあります。
これは非常にありがたい助言ですから、真剣に話を聞かなければなりません。
合格可能性0%ということはありませんから、どの程度の合格率を「絶望的」とみなすかは判断が難しいところです。「E判定」しか出たことがなくても合格になるケースもあります。
逆転の可能性があるのがあるかどうかは、模試の判定に加えて以下のような観点で考えます。
受験までの期間の長さ
残り1ヵ月を切っているような場合だと、「過去問を何度も解く」など受験生としてやって当たり前の対策しかできないため、逆転型の合格はまず難しいです。
本人の成長率
成長をグラフにすると右上がりの直線ではなく、階段状になるのはよく知られた事実かと思います。試験までの残り期間がちょうどこの成長期と重なると、奇跡の逆転合格も考えられます。
本人のやる気
血眼になって毎日勉強をしているようなケース。これだけでは合格は難しいかもしれませんが、貴重な経験をしていますので、出来れば応援してあげていただきたいと個人的には思います。
ウサギ型
残り期間が短い場合、「ウサギとカメ」の寓話で言うと、逆転合格の可能性があるのはウサギ型の生徒だけです。カメ型の生徒に瞬発力を期待するのは難しいです。
本気で受験勉強をしてきた期間の長さ
これまで本人が本気になっていなかったような場合、無謀な挑戦も一考に値します。「伸びしろ」という意味で可能性が残されているからです。良い材料ではありませんが(笑)
クラブチームの活動などで勉強時間が制限されていたケースもここに含まれます。
やたらと本番強い
本番が最高のパフォーマンスになるタイプの生徒がいます。運動会や部活動の試合など、これまでの経験から総合的に判断されてみてください。
受験校との相性
模試判定はいま一つでも、過去問題との相性が良くて高得点を狙えるケースがあります。その逆のケースもありますので、特に私立校の出願には気をつけてください。
上記、どの観点からみても良い材料がなさそうであれば、撤退も視野に入れて検討する必要があります。ただし、その場合であっても、やはり本人とよく相談して決めるようにしてください。
不合格になった場合の救済策として、本人の希望する学校を滑り止め校に出来ているのであれば、憧れの学校への挑戦も大いに結構です。