Vol.293 【祝】開校10周年
2023年01月24日更新
2013年2月14日、新聞折込チラシの投函からプラスジムの歴史は始まりました。
ただ、会社の登記を行ったのは1月25日です。明日でその日からちょうど10年なので、このタイミングで「開校10周年」というテーマで記事をまとめてみたいと思います。
何を書こうかと思いましたが、10年間の私視点の振り返りに加えて、これからのプラスジムの構想を書くことにしました。まずは時系列で、これまでの振り返りから。
<1年目>
久我山教室開校。初期の構想では「わかるをできるにする」がコンセプトの学習塾だったのですが、開校直後からいきなり迷走します。本格的な学習経験を積んでいない生徒たちに「勉強習慣」や「勉強の仕方」を身につけることをサポートする学習塾になるつもりでしたが、集まった生徒の多くはハイレベルな中高一貫校に通う生徒たちでした。その一方で、当初想定していた生徒たちも少数派ではあるものの通塾してくれていました。統一感がなく、授業をする講師たちの授業準備などに要する負担も相当なものでしたが、創業のノリと勢いでなんとかこなしていた気がします(笑)
私自身も頻繁に塾に寝泊まりし、彼らと一緒になって仕事する体当たりの毎日でした。
<2年目3年目>
教室運営が軌道に乗り、仙川に2教室目を開校することになりました。しかし、2教室目も同じようには上手くいかず、1年ほどで撤退することになります。話を聞いた方がすぐに「この塾は他とは違う!」と感じていただけるだけの実力をつけるまで、2教室目は出さないことにしました。
久我山教室は生徒であふれていましたが、私自身に満足感はまったくなく、「自分たちにしかできない価値」は何かを自問自答し続けた毎日でした。
<4年目>
そうした中で「都立受験コース」は誕生しました。個別指導も自立学習指導らしきものも行っていましたが、何かが違う、何かが足りない、生徒はもっと頑張れるはず、特に高校受験生の勉強に対してそうした実感を持ち続けていました。それが「集団の中で切磋琢磨する」という経験なのだと気づき、それをかたちにすることで破格の実績に繋がったのがこの年です。1月の直前Vもぎにおいて生徒の3人に1人が5科偏差値65以上(前年4月時点で偏差値65以上は0名)という、とんでもない結果を出した期でもあります。「これだ!」という実感がありました。
長年通ってくれていた生徒が日本最難関の東大理Ⅲに合格したのもこの年です。その指導経験と実績を生かして東大合格を目指す学習コンサルティングサービスを起ち上げようともしましたが、こちらは頓挫しています。ただ、この年に行った研究は後年も役立っており、ほぼ毎年、数名の高校3年生が旧帝大に挑戦しています。生徒数からするとかなり高い割合だと思います。
ちなみに、今年も東大京大それぞれ1名ずつ挑戦者が出そうです(まだ確定ではありません)。
私自身は3者面談などを行う立場から、この年に身を退いています。
<5年目6年目7年目>
自分が直接的に生徒指導を行わなくなったことや、保護者様と面談で直接お話をしなくなったことにより、ずいぶんと運営が難しくなったように感じていました。もっともそれを実感したのは、生徒を注意する場面です。これまでであれば、渋々ながらも話はきちんと通じている実感がありましたが、反抗的な態度を示されたり、陰で悪口を言われたりと、同じやり方がまったく通用しなくなりました。「教室ルール」を明確に定めることや、監視カメラの設置、そして何より講師スタッフに根気強く「理想の教場」の姿について伝え続けることで、自分が直接関わらずとも、規律や風紀が乱れない教室運営を実現できるようになりました。保護者様とのコミュニケーションに関しては、LINEを導入し、現在は日々のやり取りを私もすべて確認するようにしています。
<8年目>
教室運営最大の危機が訪れます。コロナ禍です。
当時のことは以下のブログにまとめていますので、ここでは割愛します。
<9年目以降>
「都立受験コース」は6期目を迎え、運営の仕組みもかたまり、いよいよ新教室開校に向けて動き始めました。生徒側の運営は問題なかったのですが、内部の「仕組み」に不充分な点があったため、その問題を解決するために約1年かけました。
そして、2023年1月、いよいよ三鷹教室開校です。
10年も会社をやっていると、色々なことがあります。
「もうダメかも、、」と思った日は一度や二度ではありませんが、その度にまわりの人たちに支えられ、何とか危機を乗り越えることができました。
年始の挨拶でも書きましたが、生徒に恵まれ、保護者様に恵まれ、講師とスタッフに恵まれ、とにかく人に恵まれ続けた10年間でした。9割の会社は10年以内に廃業する、といったデータもあるくらいですから、「10年続ける」というのはやはり大変なこと。この塾に関わってくださった、すべての皆さまのおかげで、今日のプラスジムがあります。
深く感謝御礼申し上げます、本当にありがとうございます。
これからのプラスジムということですが、ひと言でまとめると「都立受験コースを軸とした拡大」がテーマです。それは単純に教室数を増やすという意味ではありません。
教室数増加は水平方向への拡大で、もちろんそれも目指すのですが、それ以上に大切なのは「都立受験コース」を垂直方向に拡大させていくことです。
中学1年生2年生に対しては、より良いかたちで「都立受験コース」に繋がる体験を。
高校生に対しては、「都立受験コース」で得た知識や学習技能を、高校の学習や大学受験勉強でフルに発揮していくためのサポート体制の充実を。
大学生に対しては、「教育」という仕事の社会的価値を高める普及活動を。
さらには、この塾を卒業※していった社会人とのネットワーク構築を。
(※プラスジムでは、大学/大学院卒による退職を「卒業」と言っています)
「都立受験コース」を経験し、我々の理念に共感してくださる保護者様との協力関係を。
それぞれをバラバラに考えるのではなく、1つの体系として繋げていくことを目指しています。
15歳が親と子の関わりの交差点だと考えているため、この1年間を物語のハイライトとして教育体験を設計する方向性は今後も変えないと思います。
極限状態を経験できる「都立受験コース」。
それを共通体験として持っている関係者がどんどん増えています。ここで過ごす時間は「しるし」であり、その符号のもとに、これからの人生を支え合える前向きな人間関係の構築。
これまでに関わってくださった方々も、これから出会う方々も。生産的な人と人との繋がりを縦にも横にも「拡大」させていくこと。
これこそ、人に恵まれ続けてきた我々だからこそ提供できる唯一無二の価値と考えています。
2033年1月、心から納得できる「答え合わせ」ができるよう、これからも邁進していきます。
10年間、本当にありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします。