Vol.141 いよいよ決戦
2020年02月18日更新
「あきらめたらそこで試合終了ですよ・・・?」
1978年生まれの私と同世代の方であれば、誰でも一度は耳にしたことがあるこの名言。
『週刊少年ジャンプ』が生んだ不朽の名作、『SLAMDUNK』 に登場する安西先生の言葉です。
スラムダンクの連載が始まった頃、私は中学生。
当時『週刊少年ジャンプ』は発行部数600万部を超える号もある、とんでもない漫画雑誌でした。
中学3年生の4月にクラス全員で1年間の標語を決める学活があったのですが、そのときに「はらたいらさんに3000点・・・!!」というスラムダンク内で出てくる小ネタがそのままクラスの標語に決まり、担任の先生に激怒された思い出もあります(笑)
とにかく、そのくらいにみんな『週刊少年ジャンプ』を読んでいたのです。
たくさんの名言が出てくる青春漫画ですが、おそらく最も有名なのが冒頭のセリフ。
10代の私の心にも見事に刺さり、それから20年以上が経った今でも覚えています。
覚えているどころか、今でも苦しいときがあると、このセリフが脳内再生されるんですよね。
こうした人生の指針となる言葉を生徒に持たせてあげられると良いなと憧れますが、安西先生には遠くおよびません。
さて、いよいよ今週末の2月21日(金)は都立一般入試です。
来週は国公立大学の前期日程試験です。
絶望的ともいえる状況で試験当日を迎える受験生もいることでしょう。
すべての場面で「あきらめる」ことが悪いとは思いませんし、「構想」や「計画」段階では物事に固執せずに違う方法を探すことも大事です。
しかし、「いざ実行!」という、この場面であきらめてしまうのは、あまりにもったいない。
受験は何が起きるかは最後までわかりません。
奇跡のような合格も、悪夢のような不合格も、どちらの話も何千何万と世の中には転がっています。あきらめない限り、試合に勝つ可能性は誰にだってあるのです。
そしてその可能性は、悲観的になっている本人が想像するよりもものすごく高い。
不安なのはみんな一緒なのです。
決して自分ひとりだけが不安なわけじゃない。
安西先生の言葉がそれだけ多くの人の心をつかんだのは、それだけの数の読者が自分の中に思い当たる場面を抱えて生きてきたからです。
世代が変わっても、それは変わらない。
「あきらめようか、いっそのこと逃げてしまおうか・・・」
ぎりぎりのところで何とか気持ちをつないで、みんながんばっています。
「無理だ」という考えが思い浮かぶたびに、深く息を吸おう。
自分を支えてくれた誰かのことを思い出してみよう。
お父さん、お母さん、学校の先生、塾の先生、兄弟姉妹、友人・・
自分の力だけではなく、色々な人の力を借りて、今日の受験会場にいることを忘れないこと。
一人じゃないと思えたとき、きっと自分と戦う勇気が出てきます。
いよいよ決戦。
それぞれに素晴らしい春が訪れることを心より祈っています。
どうか最後まで希望を捨てないでください。