Vol.238 2022謹賀新年

Vol.238 2022謹賀新年



2022年01月04日投稿
2022年01月04日更新




新年あけましておめでとうございます。

プラスジムは1月4日(火)から開校しています。
昨年の年明けは、2度目の緊急事態宣言が発出されるというニュースから始まり、1月8日に実際そのようになりました。その前年、感染者数がいったん減少してからの出来事であり、再び緊張感に包まれたことを記憶しています。宇都宮大学が、大学共通テストを終えた1月21日に突然、2月の個別学力試験を中止すると発表したことも鮮明に覚えています。
学校や塾予備校にとっては毎年のことであっても、生徒の人生は一度きり。2020年末、病気に必要以上に振り回され、生徒の人生を犠牲にすることがあってはならないと総括しました。
2021年は「どんな状況下にあっても生徒たちの学びを止めない」を大原則に定めました(「2021謹賀新年」)。デルタ株の猛威が夏期講習を直撃し、かなりギリギリの状況にまで追い込まれましたが、何とか耐えることが出来て良かったです。
新種オミクロン株の流行も気にはなりますが、この病気についてはこの2年間でずいぶんと人々の理解が深まりました。どの教育機関も昨年以上に冷静に対処されるのではないでしょうか。
1918年~のパンデミック(スペイン風邪)は約3年間で3回の大きな流行の波があり、そこから収束に向かったそうです。コロナ騒動もそろそろ末期を迎えつつあるのではないかというのが個人的予想です。油断は禁物ですが、常に冷静であることを心がけたいと思います。

昨年は「変化」の1年、今年も、です。
「変化」とは「改善」と「改革」と考えています。
「改善」は誰にとっても良い結果をもたらす「変化」のこと。それに対し、「改革」は構造から抜本的に変えることであり、その目的は優先順位の見直しです。やり方を「改善」するのは、塾としてやって当たり前のことです。ここで述べたい「変化」は「改革」のこと。
教育というのは、その役割と性質上、スピード感のある「改革」が難しい産業です。例えば、飲食店が味を大きく変えたとしても、そのことによって客が困るということはあまりありません。不味ければそのお店には行かない、ただそれだけです。しかし、学校や学習塾の場合はそのようにはいきません。行かないという判断はできますが、そのことによって生徒の人生に影響が出ます。そのため、いまの生徒の学習に支障が出ないように「改革」の時間軸を長く設定する必要があります。
昨年は中学生に「定期試験前自立学習」を導入したことが最大の「改革」でした。そのことによって、中学生の定期試験結果は目に見えて改善しました。その代償として、通塾の「利便性」は若干損なわれたかなという印象は持っています。高校受験生はもともとそのような方針でやっていたのですが、それ以外の学年の生徒にも、試験2週間前からプラスジム式の細やかな学習管理を行うようになりました。その間、たくさん教室に来ることになりますから、生徒は大変なのですが、勉強量は確実に増えます。この変化を保護者様目線で表現させていただくと、「丁寧にみてもらいたい」とお考えの方により喜ばれる教室となり、「通えればそれで充分」というお考えの方には、あまり合わない教室になりました。
中学生に関してここ数年、塾運営を通じて感じていたのは、丁寧な指導を求める保護者様ニーズの高まりです。この原因はおそらく、学校教育現場が制度疲弊を起こしてきていることによるものと分析しています。教員のブラックな労働実態が注目されるようになり、学校とそこにいる教員が一人ひとりの生徒を細かくみることができなくなってきています。部活動の時間も昔と比べてずいぶんと縮小しました。
共働き世帯も増えています。私たち親世代の感覚からすると、まさに「いたれり尽くせり」の塾生活ですが、学校を含めた生活全体の中で現代の子どもたちは、大人と関わっている時間は実はあまり変わっていない、むしろ減っているのではないかと思います。
こうした時代背景の中で、中学生が大人と関わる時間の価値が相対的に高まっているのではないでしょうか。ここ数年、その動きがさらに加速しています。
そのためプラスジムに限らず、問題意識を高く持っている学習塾の多くが、より懇切丁寧な学習指導を行う方向にかじ取りをしているように感じています。
そして2022年。
昨年は中学生でしたが、今年は高校生の授業の「改革」にも着手していきます。
「長時間勉強できるようになること」は中学生にとって優先度の高い学習課題でしたが、高校生にはまた別の課題があります。高校から先は、勉強の観点を「量」だけでなく「質」を意識したものにしなければ、成績はあまり伸びなくなります。
勉強の「質」を高めるヒントは「反省(※)」にあります。「反省」という言葉のカバーする範囲は広いです。テスト期間の勉強がどうであったか振り返ることなども「反省」ですが、間違えた問題とどう向き合うかも「反省」。高校生にとって正しい勉強とは良質な「反省」を繰り返す勉強であると考えています。たくさんやって、やりっぱなしにする勉強だけは避けてもらいたいと思うわけです。
こうした点は、いまの高等部授業でも意識的に指導されている点ではあるのですが、それと同時に通塾の「利便性」を高めることで、高校生にとってさらに通いやすい教室になると考えています。授業時間や通塾回数の見直し、担当制度など、主に授業システム面の見直しを行っていく予定です。

プラスジムは2023年春、開校から10周年を迎えます。昨年から進めている「改革」をさらに推し進めて完成させ、日本で唯一無二の教育体験を提供できる学習塾を創ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

※中高生にもわかりやすい言葉を、ということで現時点では「反省」と言っていますが、ここで使うのに私が最も適当と考えている言葉は「reflection(リフレクション)」です。一般企業で人材育成部門の経験がある方にとっては馴染みのある言葉かと思いますので、そうした方は「反省」をこちらに脳内変換して読んでいただけるとありがたいです。近いうちに「反省」を別の言葉に言いかえるかもしれませんが、どうすべきかまだ悩んでいます。


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