「平成31年度」都立高校入試200字作文 考え方と模範解答例
2020年07月25日更新
このページでは、『平成31年度』の東京都立高校入試における200字作文をあつかいます。
200字作文のポイントや書き方などは、こちらを参考ください。
出典と問題の問われ方
〇出典:齋藤亜矢「ヒトはなぜ絵を描くのか」
〇問い:国語の授業でこの文章を読んだ後、「新しい『何か』に出会うこと」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け。
〇配点:10点
作者の主張と構成のポイント
筆者の主張:
・自分のそれまでの概念を超えるような風景に出会うと、感動を覚える。さらに自分の概念をはるかに超えた美しい風景に出会うと、今度は「筆舌に尽くしがたい」になる。(第一段落)
・絵や写真の中では、見たことのない風景、見たことのない生き物や食べ物、見たことのない美しい服をまとった異国の人物に出会うことができる。(中略)新たなモノを知り、新たな世界を知ることは純粋に楽しい。普段の自分の生活からかけ離れた空間やモノの存在を知ることで、世界が今ここにある狭い範囲だけではないのだと心が軽くなる(第二段落)
・描かれているのは、ある瞬間にある空間で切り取った作者のフィルターを通して見た世界だ。(中略)そのフィルターによって、ありきたりの風景やモノの知らなかった一面、普段は目を向けないような部分に、気付かされることもある。知っているモノについての新たな概念が加わる、新たに「知る」喜びだ。(第三段落)
・作品を見るとき、わたしたちはアーティストのフィルターを通して抽出された新しい見え方に出会う(第五段落)
・アートの作用は、自分がもっていた「何か」の概念に新しい要素を加えるなど、気付きをもたらすことであるように思う。それによって、わたしたちの世界に広さや深さがもたらされる。(第七段落)
↓
問いの「新しい『何か』に出会うこと」を踏まえてまとめると、 「絵や作品などのアートを通じて新たなモノや新しい世界を知ることは喜びであるし、普段は目を向けないような部分に気付かされることもある。」
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過去の経験のなかで「新しいことに出会い」、そのことに喜びなどを見出したできごとを取り出し、そのことについて述べる。
ちなみに問題文には、アートを通じてという文言は入っていないため、身近な経験を取り上げるといいでしょう。
模範解答例
採点基準
にも書きましたが、以下に採点基準を付けておきます。〇付けの基準にしてください。
<採点項目>
・自分の意見、主張がある。(+4点)
・筆者の主張を踏まえている。(+3点)
・具体的な体験や見聞がある。(+3点)
<減点項目>
・本文の抜き出しや要約になっている。(-10点)
・論旨に一貫性がない。(-2点)
・句読点の誤り、誤字、脱字、衍字(語句の中に間違って入った不要の字)が1つある。(-1点)
・句読点の誤り、誤字、脱字、衍字が2つ以上ある。(-2点)
・最後の一文が途中で終わっている。(-1点)
・101字以上150字以内である。(-2点)
・100字以内または201字以上である。(-10点)
・不適切な箇所が1つある。(-1点)
・不適切な箇所が2つ以上ある。(-2点)