Vol.027 東京都私立で「併願優遇」を実施する高校におすすめ高校はないのか
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Vol.027 東京都私立で「併願優遇」を実施する高校におすすめ高校はないのか



2017年10月31日投稿
2020年07月14日更新



東京都の公立中学3年生にとって、11月は胃の痛くなる月でもあります。
近々、2学期の通知表結果(「3年生時評定」)が伝えられることになるからです。
どこの中学校でも概ね11月30日~12月1日頃が告知日となるようです。
伝えられるのは「3科、5科、9科」の合計のみで、科目別の詳細は2学期末までわかりません。
5科であれば25点満点、9科であれば45点満点、といった具合です。
もし、あなたが中学3年生で、なぜ胃が痛くなるのかわからないという状態だったとしたら大変です。
すぐに以下の記事を読んでください。
高校受験における内申点(3年生の2学期の通知表)の重要性についてまとめた記事です。

運命の一日①
運命の一日②

「併願優遇のおすすめ高校はない」という偏ったブログ記事をたまたま目にしました。
その方が塾の先生に意見を聞くと、塾関係者のみなさんは「併願優遇の実施校にだけは進学させたくない」ということを、口を揃えておっしゃられるということで。
どこの塾の誰がおっしゃっていたのかはわからないのですが。
ここで中学生や高校生に言いたいのは、自分の進路に関する大切なことを決めるのに、どこの誰かわからない人の意見など全く気にする必要はないということ。その一方、会ったことのない相手でも「誰が言った」がわかっているなら、その主張に耳を貸す価値はあります。

塾としての方針の問題もあるので、「併願優遇」実施校について、ここではっきりと申し上げておきたいと思います。
併願優遇を実施する私立高校にも進学する価値のある高校はあります。
「併願優遇」制度についても、積極的に活用されることをお勧めしています。
何を基準に「価値がある」と判断するかは難しいところですが、確実に言えるのは、高校に価値を見出すのは生徒本人以外にはいないということ。
「何を」評価基準にするかは人それぞれなので、良いも悪いも本人次第ということですね。
ただし、客観的に考えて、大半の生徒にとって指針とすべき「良い高校」の基準はあります。

第一に考えなければならないのが、「家からの距離」
久我山近隣にお住いの中学生は、久我山駅からの通学時間をまとめた記事(私立高校限定)がありますので、ご参考になさってください。知り合いのいない高校に進学したい等、特殊なケースを除いて、ほぼ全員に当てはまる基準です。

第二に考えたいのが、将来の進路について。
この点について補足説明ですが、「進学しない」という明確な意志がないなら、「大学進学する」で考えておくべきです。
東京都は日本一大学進学実績の高い都道府県です。
全国平均は55%程度なのですが、東京都はそれを10ポイント以上高くなっており、毎年65%以上70%未満の大学進学率となります。実態としては、「大学進学するかどうか未定」の状態で高校生になった生徒の大半は大学に進学することになっているものと思われます。
そのため、「大学に進学したい」もしくは「大学に進学するかどうかはわからない」というのが今のお考えであれば、「大学進学実績」はきちんとみておく必要があります。
大学進学実績が良い=大学に合格させる力が強い、ということは何を意味するのかというと、将来の選択肢の可能性をより拡げてもらえる、ということです。例えば、将来医師になりたかったとしたら、医学部に進学する必要がありますが、現実的に医学部を狙える基礎学力がみにつく高校となると、ほとんどの高校はその条件を満たせていません。
東大や医学部など、最難関大学に合格するためには受験技術もたしかに必要です。
しかしそれ以上に大切なのは基礎学力であり、それはすべての大学受験で等しく問われる学力です。東大には合格できるけど、GMARCHでは不合格になる受験生などいないのです。
基礎学力をきちんと伸ばして、大学進学実績を出している高校は大学進学を検討している生徒にとって良い高校と言えるでしょう。
一般的には、この「大学進学実績」が「良い高校/悪い高校」の判断基準として使われています。
「その子の将来の選択肢を増やす」という教育の目的から考えれば、それは一つの正解であり、否定されるものでもありません。

第三に考えたいのが、部活動です。
高校によって部活動の実力には相当な差があります。
野球やサッカーのような団体競技では一人で勝つことはできませんから、「甲子園」のように高い目標があるのであれば強豪校に入らなければなりません。
また、フェンシングのようなマイナー競技をやりたいと考えている場合も選ぶことのできる高校の数はかなり制限されます。

部活動のようにわかりやすい基準で選べたらいいのですが、大半の生徒には当てはまりません。
高校見学に行けばいくほど何が正解かわからなくなってしまい、頭が混乱している方も多いのではないでしょうか?
あなただけではありません。
「進学するのに良い高校かどうか」で高校を探そうとして、多くの生徒がそうなってしまっています。
この問題、実は簡単な解決策があります。
「受験するのに良い学校か」という視点で、皆さん受験校を考えられたことはあるでしょうか?
以下の記事に、考え方をまとめてありますので、ぜひ読んでみてください。

Vol.028 「進学するのに良い高校かどうか」で受験校を選ぶのは限界がある


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