Vol.300 「ある」人と「ない」人

Vol.300 「ある」人と「ない」人



2023年03月14日投稿
2023年03月14日更新



塾長ブログ最終号です。書くテーマは最初から決めていました。

その昔、世界中の偉人の人生を研究しているという方に教えていただいた話があります。
偉人とよばれるほどの成功者に共通する「才能」の源泉は何かということです。
共通するもの、それは能力ではありませんでした。
どんな困難も乗り越えてしまうほどの「切望感」が本人の中にあるかないか
まず、それがないことには偉業を成し遂げることはできないそうです。
では、どのようにして、そうした「切望感」が自己の中に生まれるのか。
大別すると、2つの正反対の人生経験をルーツに持つ人に分類されます。
それが、「ある」人と「ない」人
「ある」は、自分が得ることのできた体験を他人に届けたいという「切望感」。
「ない」は、自分が得ることのできなかった体験を他人に届けたいという「切望感」です。
この話を初めて聞いたときに、私は自分が何に突き動かされて、こんなにも人を育てることに夢中になっていたのかがようやく腑に落ちました(残念ながら、偉人ではありませんが)。
私は、圧倒的に「ない」側の人生だったのです。

塾長の履歴書 -考察編1-

自分がそういう人と出会えなかったからこそ、「子どもたちには恩師と呼べる人と出会わせてあげたい」それが教育の仕事に打ち込む原動力になっています。

若い頃は、私自身が生徒の人生を変える役割を担いたいと思い、必死にがんばっていました。
「原先生と出会って、自分の人生が変わった!」
そう言ってもらえることが何よりも嬉しかったです。
しかし、現在はその役割は若い世代の講師陣にまかせるようにしています。
自分がやるよりも上手くやってくれますし、そもそも、自分一人ではそんなにたくさんの生徒の人生を変えることはできません。私がやりたいことは「恩師と呼べる人との出会い」経験を創出することであって、自分が恩師になることはその一手段に過ぎないからです。

プラスジムではここ数年、採用直後からエース級の動きができる講師の応募が続いています。
その大半はプラスジムの元生徒たちです。
彼ら彼女らを突き動かす原動力は、私とは正反対。
自分たちが先輩講師から与えてもらった「ある」側の体験です。
「すごいな」と感心するのは損得勘定抜きで、生徒のために全力投球できること。
仕事で涙している姿もよく目にします。
日々、真剣なのです。
教育の仕事において、「生徒のために」という「想い」の強さに勝るものはありません。
知識があって指導技術の高い教師よりも、「想い」の強い教師に生徒は動かされます。
「この教師の真剣な想いにこたえたい」と生徒は思うからです。
そうした教師との出会いは生徒の人生に計り知れないほど大きな影響を与えます。
感化された生徒は自分の限界をどんどん超えていくのです。
プラスジム講師がなぜそこまで出来るのかというと、自分がそれを体験しているからです。
生徒も同じことができると信じているし、自分が成長する喜びも知っています。
だから、それを生徒に全力で伝えたいと思う。
プラスジムの「いま」を動かしているのは、「ある」人たちのこうした「切望感」なのです。

「ない」経験から始まったこの塾の歴史はいつしか、「ある」経験を持つ人たちが主役となって動かす歴史におきかわりました。
しかし、まだまだ足りない。
もっとたくさんの生徒たちが「ある」と言える人生を実現できるよう、私自身、全力で走り続けます。

2023年3月14日、45歳の誕生日にそう宣言して、いったん筆をおきたいと思います。
これまで塾長ブログをご愛読くださった皆さま、ありがとうございました!


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