◇平成31年度都立高校入試◇今から考えるべき、都立の勉強方法『国語』編
2020年01月30日更新
このページでは、都立高校を目指す高校受験生のために、国語の都立高校入試過去問題集を分析しています。
このページを見ている方は、おそらく都立高校を受験しようと考えている受験生でしょう。
みなさんは、都立高校入試では、いろいろな情報が公開されていることを知っていますか?
各科目の受験者平均点から、各小問・大問正答率までが公開されています。
自分の志望している都立高校の合格基準点も、Vもぎを運営されている進学研究会さんやWもぎの新教育研究協会さんがまとめてくれていますので、自分の内申点を入れるだけで自分の目標としている都立高校の当日目標点も計算できます。
過去問題集は、過去の入試で自分が合格できていたかが分かる貴重な機会です。
力を十分に付けた冬以降に行い、また過去問を実施した後は、しっかりと分析することをおすすめします。
以下に過去の入試問題から見えてくる都立入試問題の傾向を載せておきますので、
ぜひ参考にしてもらって、より効率的な受験勉強に役立ててください。
(前年度版に加筆したものになります)
こちらからご覧ください。
日程をよく確認しておくようにしましょう。
●推薦入試
【入学願書受付日】 2019年1月23日(水曜日)
【 実 施 日 】 2019年1月26日(土曜日)・27日(日曜日)
【 合格発表日 】 2019年2月1日(金曜日)
●一般入試
【入学願書受付日】 2019年2月6日(水曜日)・7日(木曜日)
【 願書取下げ 】 2019年2月13日(水曜日)
【 願書再提出 】 2019年2月14日(木曜日)
【 実 施 日 】 2019年2月22日(金曜日)
【 合格発表日 】 2019年3月1日(金曜日)
1. 平均点推移と全体の構成
2. 大問1、大問2 漢字の読み書き(20点)
3. 大問3 小説文(25点)
4. 大問4 説明文、論説文+200字作文(30点)
5. 大問5 古文(25点)
『国語編』はこちら
『数学編』はこちら
『英語編』はこちら
『理科編』はこちら
『社会編』はこちら
1. 平均点推移と全体の構成
平均点推移
- 平成30年度 65.9点
- 平成29年度 69.5点
- 平成28年度 73.9点
- 平成27年度 65.6点
- 平成26年度 61.6点
東京都立高校入試国語です。
国語は毎年変わらず同じで、漢字の読み書き、小説文、説明文、古文を含んだ問題、200字作文と、バランスよく全ジャンルから問題が構成されています。
平均点は、毎年60点台で推移していましたが、マークシート方式が導入された平成28年度は73.9点と大幅に易化しました。それから2年。難易度調整もされて平均点は再び60点台で安定してきました。
引き続き傾向は変わらないことが予想されているので、平成31年度(2019年度)も60点台で推移すると思われます。
問題構成、形式も一昨年と全く同じでした。マーク形式が導入されてから、記述問題は漢字(読み書き10問×2点)と200字作文(10点)以外はすべて四択です。
2. 大問1、大問2 20点
大問1と大問2は、10年以上変わらず、漢字の読み(2点×5問)と書き(2点×5問)が出ています。
大問1の「読み」は大問正答率70.3%、大問2の「書き」についても大問正答率63.4%でした。今年度は読みと書きそれぞれに1問、正答率30%台の問題があったこともあり、例年に比べて大問正答率は下がっていますが、それでも漢字は安定して点数につながる大事なポイントです。
過去問題集やVもぎで2問以上答えられない問題が毎回ある場合は、危ないです。漢字に費やす時間を意識的に取りましょう。
漢字の勉強の仕方は、地道ですが繰り返し漢字に接する時間を増やすことです。
【過去10年間分完全掲載】都立入試で確実に漢字を20点取るための勉強方法でも書いていますが、漢字の書きは、過去10年間漢検5級レベル以下の問題しか出ていません。逆に読みは、高校レベルの準2級や2級からも出ていますので、勉強の参考にしてください。
平成21年度~平成30年度都立入試 漢字の「読み」「書き」 | |||||
読み | 書き | ||||
登場漢字数 | 76個 | 登場漢字数 | 79個 | ||
5級以下 | 12個 | 16% | 8級以下 | 27個 | 34% |
4級 | 23個 | 30% | 7級 | 7個 | 9% |
3級 | 20個 | 26% | 6級 | 20個 | 25% |
準2級 | 17個 | 22% | 5級 | 25個 | 32% |
2級 | 4個 | 5% | 4級以上 | 0個 | 0% |
3. 大問3 25点
大問3の構成は、平成29年度に引き続き4択問題5問(25点)でした。
内容は「小説文」です。
説明文と異なり登場人物や情景の文章として明示されない部分を、読み取る力が求められます。
ただ、生徒との会話の中で「気持ちなんか、わからない!実際どう思っているかなんてわかるわけない!」と言っているのを耳にすることがありますが、問題として成り立っている以上「答えがあいまいになる」ことはありえないんですね。
普段から小説などを好んで読んでいる生徒からしたら簡単に思える問題でも、慣れていない子は難しくとらえてしまいます。大問3を得点源にするには普段から本を読むことが近道なのでしょうが、今からだと時間が足りません。
そこで、①過去問やVもぎに取り組む時・または解き直す時に、感情や心情を表していている部分に線を引いて、表現方法に慣れる工夫をしてみてください。
文章自体はすらすら読めてしまいますが、文章がその分長いので大切なポイントが見過ごされがちです。
過去問を解いているとだいたいわかってきますが「気持ちについて最も近いのは…」「表現について正しいものを…」と毎回同じような問題が出てきますので、問題にアタリを付けやすくなります。
見直す時には、「線部分は、どういった心情なんだろう?」と考えるようにしてください。喜怒哀楽の方向のみでも大丈夫。頭の中で繰り返しておくと、テスト時に判断しやすくなってきます。
そして、②4択を考えるときは、設問のなかのどこがポイント=違いなのかを比較できるように考えると、より選択肢を絞りやすくなります。
例えば、下図の平成30年度大問3(問3)を見ると「気持ち」を答える問題なので、赤色にしているところが文章中にどういう表現になっているかを探せばわかりやすいですね。
4. 大問4 30点
大問4は、昨年度含めて毎年変わらず、4択4問(20点)+200字作文の(10点)の問題構成です。内容は「論説・説明文」です。
大問3(小説文)は得意でも大問4(説明文)がなかなか取れない、と悩んでいる生徒も多いと思います。説明文ができるようになるトレーニングは2つ。
- 文章を読む前に、問題文を先に読むくせをつける
- 解説を読んだ後、ポイントとなる文章を探して線を引くトレーニングをする
に尽きると思います。
英語にも同じことが言えますが、あらかじめ問題文を読むと、文章中によく似た表現が出てくるとわかりますよね?そこに線を引くなり印をつけるなりしておくと、改めて見たときにわかりやすくなります。
また説明文は、小説と違って問題文中の言葉をつなぎ合わせると、必ず答えが出来上がります。大問4に苦労しているのであれば、どういうところに答えに結びつく文章がよくあるのか、論理的なトレーニングをいろいろしてみてください。
また200字作文は、必ず誰かに添削をしてもらってください。
200字作文は慣れれば必ず7点以上は取れる問題です。ただ自分だけで丸付けをすることは難しいですし、改善部分もわからずに、そのままになりがちです。プラスジムでは毎週200字作文の課題を秋以降は出して、採点⇒講評⇒返却⇒次の課題を繰り返して、「書き方のコツ」を覚えてもらっています。
200字作文が特に時間がかかるようであれば、まずは言いたいことを箇条書きにしましょう。それをつなぎ合わせて骨子を作ります。
その後、200字になるように文章を調整していくとうまくいきます。
200字作文構成に困っている人は、【超保存版】絶対に10点を取るための都立高校入試「国語200字作文」の書き方講座を参考にしてください。
5. 大問5 25点
大問5については昨年は、4択5問(25点)でした。古典に関する複数の文章を読み、現代語訳と照らし合わせながら特徴をつかむ問題です。
普段あまり触れることのない構成と、古文・漢文、会話文が組み重なった文章構造は慣れるまでは読みにくいと思います。繰り返し読む練習をしておきましょう。
ただ古典の形を取っているものの現代語訳もついていますし、古典文法も現代仮名遣いくらいしか聞かれないことが多いです。
都立入試問題としては、大問4と同じように勉強してください。
あえて言うのであれば、昔の難しい表現や固有名詞が出てくるので、古典の基本的な用語や文法事項は知っておくと読みやすくなります。
まとめ
秋以降は50分の時間の使い方も意識しながら勉強してほしいです。
律儀に大問1から順番に解く必要はないですよね?
時間が無くなれば無くなるほど、あせってしまい取れるはずの問題が取れなくなります。
自分の自信がある大問順に、てきぱきと解いていくことをオススメします。
大問正答率を単純に見ると、国語は大問順に解くといいと思います。
200字作文を最後に回す生徒が多いような気がしますが、先ほどの通り、200字作文は得点源にしてほしいです。
よって、後回しにせずに一度書いてみて、うまく言葉が思いつかないようであればまたあとで戻ってきましょう。
ちなみに200字作文は、学校ごとに加点要素・減点要素を決めることになっているので決まった得点基準がありません。
最後に一つ、みなさん都立入試過去問は東京都教育委員会のHPから見られることは知っていましたか?
200字作文の項目でも書いたように、採点のポイント、模範解答例なども載っていますので、ぜひ参考にするといいですよ。
平成30年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答
平成29年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答
平成28年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答
平成27年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答
平成26年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答
平成25年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答