Vol.129 根拠のない自信
2020年07月14日更新
過去に「自尊心(Self-esteem)」について記事を書きました。
この「自信」について、もう少し掘り下げて書いてみます。
人生で大事なことは、「根拠のない自信」を「根拠のある自信」におきかえていくことだと私は考えています。
通常、生きてきた時間が長くなるにしたがって、「根拠のない自信」はその力を失っていくからです。若いときは「自分はできる」と思っていても、「できなかった」を何度も何度も繰り返せばさすがに自分を信じることができなくなってきます。
自分に嘘をつくことはできません。
だからこそ、それなりの年齢になるまでには「根拠のある自信」をしっかりと積み重ねておきたい。そうでないと大人になった自分に失望することになるであろうことは容易に想像できます。
まだ人生経験が充分でないときは「できるかどうか」の判断がつかないものです。
そんなときに「大丈夫、俺ならきっと東大に合格できる!」と「根拠のない自信」でがんばれる生徒がいる一方で、「東大なんて・・」と勝負の前から負けてしまっている生徒がいます。
10代の挑戦なんて、できるかどうかはやってみるまでわからないのに。
もちろん、失敗によって「根拠のある自信」を手にするどころか、「根拠のある劣等感」を手にしてしまうことも考えられます。
しかし、そのようになるのは「反省」のやり方を間違えているからです。
あるいは「反省」の結果が次に生かされていないからです。
大きな課題に「挑戦」するからこそ、「自己理解」のための経験が増えます。
挑戦のたびに適切な「反省」を行えば、自分の得意領域と苦手領域に関する自己理解が進み、自分の活動範囲を次第に得意領域に寄せられるようになります。
そうなって初めて、「根拠のある自信」は人よりも早いペースで積み重なっていきます。
人生のなるべく早い段階で、色々な領域に手を出して失敗経験を積んでおいた方が良いのです。
20代以降、不向きなことを自分から手放していくためにも。
10代までは「根拠のない自信」で勝負しましょう!
「できるかどうか」で考えるのはまだ早い。