Vol.134 思春期の子育て
2020年07月14日更新
来週の火曜日は12月31日で休塾日のため、本記事が2019年最後の投稿となります。
プラスジムに通ってくれている生徒、プラスジムに大切なお子様を通わせてくださっている保護者の皆さま、ブログを読んでくださっている皆さまにこの場を借りて御礼を申し上げます。
今年一年も本当にありがとうございました。
節目となる記事で何を書こうかと悩みに悩みましたが、高校受験生の保護者様から嬉しいお手紙をたくさんいただいたので、この場を借りてお返事をさせていただきます。
すべてのお手紙をここで紹介しきれないのが心苦しいのですが、掲載許可をいただいたものの中から10枚を選んでお返事させていただきます。
「中学受験で失敗し、本人も親も高校受験でのリベンジのプレッシャーのかかる中、本人の成績は下がっていく一方で、長年通っていた大手の塾での授業にもいつのまにかついていけなくなっていました。中3になる直前、このまままた受験生になり、また同じことを繰り返すのではないかと思い、たまたま目にしたのがこちらのプラスジムでした。「個別指導」で間に合うのか、最初は不安だったのですが、何か月か経ち、明らかに変化する子供の姿がありました。夏休みは毎日塾へ行き、大変なはずなのに何故か元気で明るく毎日帰ってくるので、塾に行かず遊びに行ってるんじゃ・・・と疑うほどでした。おかげで親子ゲンカをすることもなく、家でお互いがイライラすることも一度もありませんでした。夏休み明けのVもぎで、まさかの偏差値が20近くアップし、本当に驚きました。本当に頑張っていたんだなと思いました。そしてここからは本人も自信がつき、とてもポジティブになり、どんどん自立していくのを感じています。テストの結果ばかり気にしていた私も、こんなに成長を見せていただけてこの一年で考え方も変わりました。もちろん、合格は絶対欲しいですが、それ以上のいい経験をさせてもらい、本当に感謝です。あと3か月、彼の成長がとても楽しみです。どこまで伸びるんだろう!と私もポジティブです。」
お手紙ありがとうございます。
受験生の親として理想的な接し方をされていると思います。こんな風に見守っていただいて受験期を過ごせた〇〇君は本当に幸せ者ですね。受験が上手くいかない原因が親の接し方にあることも少なくありません。子どもへの愛情はあふれるほどあるのに、悲しいことにその方向性を完全に間違えておられる方がいらっしゃいます。その状況に危機感を覚えた私は、塾長ブログを書くようになり、受験生の保護者様にはセミナーもさせていただくようになりました。しかし、子ども以上に大人に考え方や姿勢をあらためていただくというのは難しいものです。お母様ご自身が「考え方が変わった」とありますが、そのことも〇〇君の変化の要因の一つだと思います。受験期に子どもを上手く導くことに成功された方の言葉が自然と出ています。
「勉強が好きになり、とても楽しそうに通っています。30年前にプラスジムがあったら私も通いたかったです。」
お手紙ありがとうございます。
勉強を好きという気持ちに勝るものはありません。学ぶことの楽しさを知ることに成功した子はその後の人生でも成功する可能性が高いです。こうした生徒がたくさん出てくる理由は、どの塾よりも勉強好きな講師がそろっているからだと思います。学ぶことに対する「好き」の気持ちが伝染すると、生徒は勝手に勉強するようになります。
ありがとうございます、私も通いたかったです(笑)・・というよりも、「生徒と同じ年齢だとしたら通いたくなる塾か?この塾になら自分の子どもを通わせるか?」といつも気にしながら塾づくりをしてきましたので、このお言葉はとても嬉しいです。
■参考記事
Vol.051 勉強はどこでもできる
「プラスジムにお世話になることを決めたのは体験の申込に伺った面談が2時間にも及ぶ熱意あふれる、しかもきちんと子供に向き合ってくださる内容だったこと、そして塾の方針としてどの学校に合格するかよりも受験を通じてどれだけ成長できるかに重きをおいていらっしゃることが、親としてとても共感できたことが理由です。
入塾してからも細やかにあたたかくご対応いただき、先生達には感謝しかありません。先生方の熱意に子供がなかなかこたえきれないのが本当に申し訳ないです。
でもいよいよ、あと2か月ちょっとと迫ってきて、ようやく過去の自分を反省する言葉が出てくるようになりました。何とかラスト頑張って一段成長してくれたらいいなと期待しています。」
お手紙ありがとうございます。
面談が長くなったのは、担当者がご本人の中に可能性を感じたからだと思います。大人に対する反発心が強く出ていたため、少しずつほぐしながら言葉を伝えることを心がけていたのかもしれません。大人になるに従って反発は少しずつおさまってきます。客観的に自己を理解する能力はありますので、精神的に安定してきたときが本当の成長期ですね。
そうした傾向が少しずつ出てきているようで、心強く思います。
■参考記事
Vol.068 素直になりましょう
「夏休みが終わった頃から、何気ない日常の中で、娘の変化を感じるようになりました。娘にもそのことを話すと、自分の中でも変化を感じていたそうです。その時は、テストの時に自然と手が動くようになったことや、以前より自分がドライになった気がするなどでした。私としては、勉強したことや、それについて考えた事が会話の中に増えていっていると感じていました。他にも、受験生という事で時間や体力、メンタル面などの余裕がなくなったり、今までと違った角度で自分自身と向き合う中で、人との関わり合い方が変わり(娘としては、それがドライになった気がするというか感覚だったのではないかと思いますが)結果として、自分で判断するスピードや整理する力がついてきたように感じていました。
さらに数ヶ月を経て、少しずつハッキリしてきた事があります。
それは「わからない」ということの重さや対処法の大切さです。
娘は、今まで頭の中に散らばった情報や、もやもやしてはっきりしないこと、わからない事などを沢山抱えていていたのだと思います。
それは勉強に限らず、中学校に入学してからの複雑な交友関係や、部活の上下関係なども含めてです。相手がどうしてそんな事を言ったり、したりするのかが分からず、でも、そうなるのにはきっとなんらかの理由があるからではないのかと、自分が感じた気持ちよりも、相手を理解しようと悩んだり、答えをださない、だせない事で負担が大きくなってしまい、何度も涙を流した事がありました。その度に、その時持っている精一杯の力で、大切にしたいものを信じ、前にすすもうとしていました。そんな娘から最近「小学校の時の自分らしさを取り戻してきたような気がする」という言葉を聞きました。塾に通いだし、色々な「わからない」が少しずつ整理されてきたからこそ、みえてきたのだと思います。
そして、時間をかけて色々な教科を学ぶにつれ、それまで教科書の中の話だった事が、自分の身近な事へとかわり、自分のいる今(世界)がどんなところかがわかってきた時、そこに対して自分はどう考えるか、どうしていこうか、いきたいかという心が育ってきたのだと思います。
それは、自分を再確認したり、新しい一面をみつけたり、知りたくなかった自分と向き合うことにもなったのだと思いますが、自己理解が深まるにつれ、人として豊かになり、そして強くなったように感じます。
娘がそのように成長できたのは、プラスジムの塾長さんをはじめ先生方のお陰だと思います。
「プラスジムの先生になりたいなぁ。」これも娘が言った言葉です。
「わからない」を「わかる」に変えるためには、時間や忍耐、愛情が必要でとても大変なことだと思います。沢山のわからないを経験したり、持っているからこそ、先生方からもらう「わかる」の中にある、努力や自分達に対して想いの大きさを感じているのだと思います。
その喜びの中だからこそ、この大変な状況の中でも、前向きに成長していけているのだと思います。受け取った喜びや感謝の気持ちをお伝え出来ればと思いましたが、なかなかまとめられず、随分と長い文章になってしまいました。
最後になりますが、私達家族が娘のことを想うように、娘の事を想い大事にしてくださっている皆様に心より感謝致します。」
お手紙ありがとうございます。
思春期の子どもが成長していく中で生じる葛藤をこんなにきちんと言語化されていることに驚きですが、こうした言語化の試みの中に子どもを成長させるヒントがあります。こうした対話をすることで子どもの心的な葛藤のありかを具体化していくことは、子どもの人間的成長を促進させるとても有効な手段です。こうした内的な心情のありかについて、抽象的な対話ができる大人は本人にとって最強の成長支援者です。必ずしもご両親がその役割を担えるようになる必要はありませんが、そうであるなら子どもにとってこんなに心強いことはありません。
■参考記事
Vol.035 2018謹賀新年
「最初の説明会に参加して偏差値は必ず上がるとお聞きしましたが正直なところ半信半疑なところもありました。子供の様子を見ていても他の大手学習塾に通塾されている方のお話を伺うと、プラスジムは少しユルイのではないかな、このままで本当に成績が上がるのかなと心配な気持ちになりました。家にいてもそれほど勉強をしているようにも思えませんでしたし、ますます不安になりましたが、7月8月の模試の結果は親である私の想像以上の結果が得られ、大変感謝致しております。家ではガミガミ言わず、子供が安心していられる場所にしてあげて欲しいという塾長の言葉は正しかったのだと感じましたし、プラスジムの皆さんを信じて良かったと思います。」
お手紙ありがとうございます。
中学生は学校に行って生活するだけでそれなりのストレスを抱えるものです。学校には色々な生徒がいて、まだ精神的に幼さが残るがゆえに人を傷つけるような発言をしてしまう生徒もいます。そこに「受験」というプレッシャーが加わるわけです。そういう環境の中で子どもたちなりに必死に生きていることへの理解がないと、(心の中ではがんばらなきゃと思っていても)家でついダラダラしてしまう子どもの心理に寄り添ってあげることができなくなってしまいます。人間ですから、どこかに「安心」できる場所は必要です。言葉で言うのは簡単ですが、ご両親にとって実践は本当に難しいこと。でも、そうしたご対応をいただいたおかげで、いつも明るい表情で彼は苦しい勉強と向き合うことができているのだと思います。
「入塾して12か月目の頃、数学が平均10点~20点上がり、3から4へ上がりました。わからないときは何がわからないのかわからない状態、まさに我が子がその姿でした。勉強はやる気があってもやり方がわからない、何をどうやるのかわからない。その負のスパイラルから抜け出させて頂きました。ヤル気スイッチのあるプラスジムに感謝でいっぱいです。」
お手紙ありがとうございます。
物事は好循環と悪循環の理論で説明のつくものが非常に多いです。成績はまさに典型で、負の連鎖状態にある生徒は少なくありません。解決策は、狙いをしっかりと定めてそこに資源(勉強時間)を集中し、正の循環を作り出すこと。「あれもこれも」という思考を断ち切る勇気が必要になるので、本人だけの力でこれを実現するのはなかなか難しいです。
■参考記事
Vol.110 好景気不景気論
「自分はやればできるという根拠のない自信を持っていた我が子は、塾も通わず定期テストも一夜漬けで臨み続けていました。中学2年の2月に“オール3からトップ校を目指す進学塾”の言葉に惹かれて入塾を決めました。きめ細やかな指導と適切な声掛けをしていただき、学習習慣のない我が子が毎日塾に行くようになり、正しい勉強方法がわかったのか、成績はジャンプアップしました。プラスジムでは勉強だけでなく物事に取り組む姿勢や、友達と目標に向かって励まし合いながら頑張ることも教わりました。それは一人ひとりの先生方の姿勢や考え練られたプログラムによるものだと思います。定期的に保護者会や三者面談もあり、保護者への説明も丁寧にしていただいているので、安心して先生方にお任せしています。プラスジムとの出会いに親子共々感謝しています。」
お手紙ありがとうございます。
さらっと書かれていますが、本人の中に「根拠のない自信」があったのが良かったのだと思いますし、それはご両親のこれまでの接し方、関わり方による賜物だと思います。自己肯定感の低い生徒はまずはその気持ちの払拭からアプローチしなければならないので、成績上昇までに時間がかかります。自分で「できない」と思っている生徒に点数を取らせることは、どんなカリスマ講師にも不可能です。成績の変化も早かったですが、それはご本人の中にその芽があったからです。
繰り返しとなりますが、その芽を育てていただいたのはご両親です。
■参考記事
Vol.129 根拠のない自信
「信頼している方からの紹介で通塾し出しました。“いまやるべきこと”“優先順位”を示してくれるので、本人はとても勉強しやすくなったと思います。また深く学びたい箇所は深く学べ、きちんと押さえなければいけない最低ラインは身に付くように指導してくれます。(個々に合わせ柔軟に対応してくれます)本人の「やる」「やらなくちゃいけない」という気持ちを引き出してくれるので、私が「勉強しなさい」という言葉を発せずに済むようになりました。なので本人の“自分でやった感”が強くなると思います。自分なりに考える事、それによって成長していく力を身につけさせてくれる塾だと思います。」
お手紙ありがとうございます。
思春期というのは精神的な「自立」が始まる時期ですから、親から勉強を強いられることに対して反発が起きるのは健全なことです。書いていただいている通り、“自分でやった感”がとても大事なのですが、“言われてやる”しかできない子のままだと、いつまでも「自立」を成し遂げることができなくなります。好奇心が非常に旺盛な上に「考える力」もすごくある〇〇君なので、「自立」の先にどんな未来が待っているのか、とても楽しみですね。
「初めて教室に入ったとき、活気と熱気と明るさに満ちあふれていました。気持ちの良い挨拶、親身で丁寧なカウンセリング。久我山駅周辺5校ほど見学・説明会・体験授業とまわってみましたが、断トツの好印象を親子共に持つことができました。それが入塾した理由です。実際入塾してからも年齢の近い先生方だからこそ持てる視点でアドバイス・声かけをして下さり信頼関係を築いた上で受験勉強を行いました。中3夏を過ぎた頃には飛躍的な結果を出すことが出来、驚きと喜びでいっぱいでした。プラスジムさんの生徒達へのかかわり方を見ていて“北風と太陽”の物語をイメージします。“北風”方式で“やらせる”のではなく、自然と自ら動きださせる“太陽”方式で人としての成長を促し、受験勉強を乗り越えさせてくれる気がします。」
お手紙ありがとうございます。
素晴らしい喩えをしていただいて光栄です。しかし、本当に〇〇君と「太陽」方式で向き合っていただいていたのはお手紙を書いて下さったお母様なのではないかと思います。毎日家の中で生意気盛りの思春期の子どもと向き合っておられるわけですから、「太陽」になりきれない場面も出てきて当然だと思います。そんな中にあっても、そういう視点を大事にしながら言葉かけをしたり反省したりされながら、接していただいていたんだろうなぁというご様子がお手紙から伝わってきます。それで充分子どもは幸せだと思います。「どうであるか」よりも「どうあろうとしていたか」の親の姿勢の問題だと思うので。
また、「挨拶」の件に触れられていますが、ここは毎年のアンケートで賛否両論出てくるところなので、塾としての方針をまとめた以下の記事をこの場で紹介させていただきます。
ポジティブに捉えていただき、ありがとうございます。
■参考記事
Vol.031 「やりすぎる」ことからはじめよう
「中学2年生の3月頃から新しい塾を探しておりました。成績を確実に上げたい、そして受験までの1年を実りある充実したものにしたいと考えたからでした。そんな時に娘の友達の紹介もあり、プラスジムを知ることができました。当初友達と同じ塾は遊びになってしまうのではないかと心配しておりました。ただその点は個別指導の席を離してもらったり、話せる時間は授業の合間だったりと決まり事と先生方の配慮で安心できました。成績も上がり、娘も塾に行くのが一番楽しいと生き生きしています。塾代はそれなりにかかりますが、プラスジムに通った事で人間的に成長しながら受験に臨める環境がありました。受験勉強以上の価値を娘に与えて頂き有難く思っております。」
お手紙ありがとうございます。
いつも明るく元気、楽しそうに通塾いただいている〇〇さんの姿を私たちも嬉しく見守っています。受験勉強は大事ですが、高校受験そのものは一生に一度しかないものです。一度しかない経験の中から一生に通ずる何を学ぶかが最も大事なことであり、「高校受験が上手くなること」だけを目的とした教育を行っているつもりはまったくありません。ユニークな魅力を持った彼女が、これからの人生でどんな素敵な花を咲かせてくれるのか、講師一同とても楽しみにしています。
高校受験生は大変です。
実は、思春期ど真ん中のこの時期に「受験」というストレスのかかることをさせるのは、グローバルな教育基準からすると異端の制度なのです。
教育ジャーナリストとして有名なおおたとしまささんが2018年に『週刊新潮』に寄稿した記事から引用します。
15歳の時点で同世代が一斉に受験競争を行うのは、少なくとも先進国の中では珍しい。日本の他には中国、韓国、シンガポールなどの東アジアにユニークな進学システムである。小学校を初等教育、大学を高等教育と呼び、その間の5〜6年の期間の教育を中等教育と呼んでひとまとめに考えるのが、世界標準の教育学での常識だ。子供の発達段階を考えたとき、この時期はちょうど思春期にあたり、14〜15歳の反抗期を頂点とした発達の山をひとまとまりとしてとらえるのだ。
特別読物「人生の岐路は12歳! 『公立中学』か『中高一貫校』か『大学付属』か 我が子を進学させるべきはどっち?――おおたとしまさ(育児・教育ジャーナリスト)」より抜粋
それだけに子どもを支えるご両親の気苦労も多くなりがちです。
子どもの成熟段階にもよりますが、一般的に「思春期の子育て」の難しさは高校受験においてピークを迎えると言ってよいのではないかと思います。
そういう理由もあって、今年最後の記事は高校受験の保護者様からのお手紙をご紹介させていただきました。
生徒本人はもちろんですが、保護者様のお悩みにも真摯に向き合ってそれを解決できる学習塾を目指して来年もがんばります。
2019年もありがとうございました。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。